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日本の空を問う―なぜ世界から取り残されるのか

価格: ¥7,882
カテゴリ: 単行本
ブランド: 日本経済新聞出版社
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問題整理には役立ちます ★★★☆☆
 結論は羽田の国際化(特に短距離=アジア方面と深夜・早朝帯を活用した
欧米便の就航)と関空・中部の活用を通じた、オープンスカイ制度(乱暴に
書くと条約締結国との間では好きな場所に好きな便数(空港発着枠との兼ね
合いがあるので100%好き勝手という訳にはいかない))の導入です。

 確かに観光で使うならまだしも(いや観光でもか)、実務で使うとなると
遠い成田に固執するのはどうなのか?
(首都圏だけでは無く、地方からの乗り継ぎも(国内便が殆ど無いので)
不便極まりない)

 アジアのそれは香港以外経験が無いので何とも言えませんが、欧州の
国際空港は確かに空港自体もアクセスも便利です。

 アジアの各国が空港拡張を梃に経済振興・自国の魅力upにしのぎを削る中
日本のそれはどうなのか?といった問題をアメリカや欧州の航空行政(自由
化の進展)の変遷等を通じて論じた一冊。

 述べられている点は「確かに」と思うのですが、その答えを導くにあたり
都合のいいデータだけを持ってきている感を受けるのは何故でしょう?

 例えば・・・

1)空港の競争力を述べる部分では欧州とアジアのデータしか持ってこない?
 最大の市場であるアメリカを飛ばして検討して良いものなのか?

2)また、新幹線との競争もあまり重視していないように見受けられる。

 日本の空が抱える問題を把握するには手頃な一冊と思いますが、ハード
カバーで出すにはちょっと費用対効果の面で疑問符が付くのでは?と感じた
次第です。
それほどのものかという感想 ★★★☆☆
基本的には目新しい論点はありませんでしたが、論点の整理にはなると思います。ただし、経済学者が書いた本ですから、もう少し経済学的な視点に立脚した分析なり立論がなされているかと思いましたが、それほどでもありませんでした。

あえて言うならば、私があまり理解していなかった「コンテスタビリティ理論」についての説明があったということでしょうか。(とはいえそれほどわかりやすい説明でもないのですが。)

ただし、本書の問題は、アメリカでは航空産業のコンテスタビリティを論じるさいに鉄道は競合とは考えませんが(車は考えます)、日本においては新幹線という立派な脅威となる競合がいる点が抜けていることでしょう。東京〜大阪線や岡山線などは常に新幹線を念頭に置いたマーケティングを行っているにもかかわらず、「日本の国内航空サービスの場合、日本航空と全日空の二社の複占であり、競合はいない」と言っているのです。これは間違いでしょう。(一応89pに新幹線との競争をどう考えるのか、という記述はあるのですが、それだけ。何の検討もされていません、、)

また、通説であろうと思われた「規制緩和によって大量の航空会社が競争状態になったが故に、安全性に問題が生じた」という論点について、「規制緩和によって航空業の安全性が損なわれているという根拠は無い」(29p)と妙にきっぱりと言い切っているのですよね。ですが、バリュージェット(1996年5月11日)やアメリカン航空(1979年5月25日)などの整備の手抜きによる大事故という実例があります。どちらも、合理化が行き過ぎた手抜きが原因で起きた事故として指弾されました。それらの事実を考えると、一体どういう理由で、規制緩和との因果関係を無視しているのかが知りたかったですね。

突っ込み不足を感じる物足りない本という印象です。
なかなか進まない ★★☆☆☆
全体でわずか173ページの本なのに、50ページを過ぎてもまだ「本書では○○の論点を取り上げたいと考えている」などと言っていて、なかなか話が進みません。で結局、著者の主張は「日本もオープンスカイにすべきだ。」ということなのですが、その理由といえば「外国がみんなやってるから」という以外には特に見当たりません。「著者の意見に反対しているのは誰で、それはどんな理由なのか」、「アメリカの航空規制緩和は、結局、よかったのか悪かったのか」などの、当然沸いてくる疑問にはほとんど答えられていません。ただアメリカの規制緩和の歴史をざっと知るためだけなら、よいかもしれません。
ハートが熱くなる政策論の名著 ★★★★★
仕事の関係で、最近の日本の航空業界、空港問題、規制緩和の動向、
オープンゲートウェイ構想についてクイックに学ぼうと思い、本書を手にしました。

何気に手にした本ではありましたが、読後の感想として、最近読んだ、経済書、
ビジネス本の中では一番勉強になった本、なるほど、という感想をもった本です。

優れた点として、
1.おそらく、グローバルの航空業界で起きている重要なトレンドをキッチリ網羅した上で
2.日本の航空会社、空港、そして航空規制を支配している行政の発想の原理の問題点を
  浮き彫りにし
3.国益(国民、地域経済の厚生)の観点から、新たなかつ解りやすい提言を行っている
4.そして、以上のことが、非常にわかり易く描かれていると思います。

クールヘッド&ウォームハート、というか熱き心が感じられる一級の時事論の書です。

著者に感謝!