僕は良いと思っています。
★★★★☆
本著は、iPhoneやTwitterに特化した書籍ではない。モバイルインターネット革命を端に発した、個人革命をテクノロジー側から追った良著であると、私は思う。
この10年間の動きと、その前の10年程度を比較して表現しているところが顕著だ。
また、すべてが今を良いと表現しているわけではなく、今後への課題も説明している。
その中で特に気になったのが、2、3章の日本のモノづくりへの提言とAppleとの対比である。過剰なお客様志向が企業の死に至る病であるとする指摘はもっともであり、その生み出される製品は企業哲学の塊で有らねばならないのに、マーケットインという言葉に踊らされすぎて、まったく色気のない製品しか生まれなくなった。また、モノとサービスの境界線は曖昧で、本来ソリューションですらモノであっておおかしくないのに、サービスだけでソリューションを行ってしまおうとしたり、その逆であったりちぐはぐな現在の日本は過度のモラトリアムな脆弱な精神に侵されていたのではないか、そのように私は受け止められた。
本来日本人の持つ、良いものに改良する力は少しづつ復活し始めているが、まだまだこれからではないだろうか。
先人たちが蓄えてきたモノづくりの資産を食いつぶしたからこそ、サービスとモノづくりを融合した新しいノウハウを私たちが蓄えて、次代の子孫たちへ語り継ぐ必要があるのだろう。
この著書は、林信行氏からの提言なのである。
大きな社会変化を身近に引き寄せて実感できる
★★★★★
iPhone用に無料公開されていたアプリで読了。
こうした「フリー」の取り組みがなぜ可能になったのかも、本書を読むとよくわかってきます。
「Twitterは何が面白いのかよくわからん」という人が多いようですが、そこに象徴される変化の意味は今のうちに理解しておいた方がよいでしょう。著者が提示している未来は可能性にあふれていますが、熾烈な競争社会であり、けしてユートピアではないわけですし。
著者の「アップル愛」は行きすぎているような気がしなくもないが(笑)、やわらかい言葉でITだけでなく、社会変化の意味を把握できるようにした構成は秀逸だと思います。
この10年のウェブの世界を概観するにはいいけど、散漫な印象を受けた
★★★☆☆
内容としては題名どおり。現在のウェブの世界をよく説明している本だとは思うけど、後書きで著者が書いているのだが、この本は著者が書いたものではなく、山路達也氏に語った内容を口述筆記したものということで、どうもまとまりが無いような気がする。
言っていることは、それぞれなるほどと思わせるのだけど、本全体を通して読むと、著者の主張がわかりづらい。というか、一冊の本の中にいくつも著者が言いたいことが散りばめられていて、いい意味でいうと内容満載、悪い意味でいうと散漫な印象を受けた。
ただ、言っていることはとってもヒントになる。この10年のウェブの世界を概観するにもいい本だと思う。
ちょっとこれは…
★★☆☆☆
身近で話題になっていたので手に取りました。
ただ、ちょっと内容が薄すぎるのではないかと… ある程度、twitterやiPhoneを日常的に使っている人や、ICT業界で働いていて関心のある人であれば、普通にネット上で読める感想などの情報以上のものはありませんでした。
林氏ならではの良い書き口も散見されましたが、少し残念でした。
昨今のITの歴史を概観する
★★★☆☆
話題のiPhoneアプリ版で読了。
早い者で小生がツイッターを始めて1年数ヶ月経つが、始めた頃にツイッターのエヴァンゲリスト的に大活躍されている様子を、ツイッター上で自ら「ダダ漏れ」されていたのが著者だった。
題名はやや昨今のトレンドに乗ってのことなのだろうが、実際には2000年あたり以降の、具体的にはiPod出現以降のITやウエッブ歴史と展開を、著者の種々の実体験から振り返るという趣だ。
従って、ここでこのようなレビューをお読みになるようなリテラシーのある方には、新味の無い退屈なものなのかも知れないという点は指摘をしておきたい。