見ることが出来て良かったです
★★★★★
20代の頃、イリノイ州、オークパークの
フランク・ロイド・ライトの家を訪れた。
それまで私は、建築に関心がなかったのに、
ライトの作りだした空間に心踊るものを感じた。
意志を持っているような居心地の良い家で、
隙のない美しさに、一度でファンになった。
旅先で、ライトの建築作品に出会うのは楽しいし、
彼の美意識にかなったアイテムもお気に入り。
実は私、ライトの家で買ったバッグを、
もう15年以上、愛用しているのです!
そんな私にとって、このドキュメンタリーは、
興味津々、見どころだらけの映画でした。
建築への考え方や、ライトの人となり、
家族や弟子たちの証言など、とても興味深い。
彼の芸術家としての視点がたまらない!
触発されるものがあり、彼の影響力に驚いた。
天才への丁寧なアプローチ、貴重な証言に★5。
ライトの生き様そのものが作品
★★★★★
建築作品紹介DVDというより、建築作品を織り交ぜながらライトの一生を綴った1枚といえるでしょう。
建築作品を詳しく知りたいのであれば、期待はずれに終わりますが、ライトの一生は、
彼の生み出した建築に勝るとも劣らないほど凄まじく、私たちをひきつけます。
恵まれた才能、学歴無しに若くして成功、女性スキャンダル、逃避行、事件による身内の死、
三度の結婚、奔放が故の困窮、一旦は忘れ去られるも不死鳥のように復活など・・・
それは天才が故のドラマであり、彼の建築家としての生き様そのものが、建築という枠組みを
超えて芸術作品と呼ぶにふさわしいと感じます。
そして建築家として最も重要な資質とは何かを教えてくれるようであります。
ここでは語りませんが、このDVDを見ればそれが何なのかが判ります。
建築家を目指す人にとっては必見の一枚です。もちろん建築にそれほど関心が無い人でも十分に楽しめる1枚です。
落水荘は動画で見ることをオススメします
★★★★★
素晴らしいの一言です。夢中で見入りました。星五つでは足りないくらいです。
ライト自身とその建築の素晴らしさを満喫できる点はもちろん、
インタビューに答えている人々の声のトーン、表情からも
ライトという天才の存在がリアルに伝わります。
特に「落水荘」の下を流れる滝、水面が動いているのを見たら
ライトファンは感動することでしょう。
わたしは今まで写真集でしか見たことがなかったのですが、水の動きそのものが
この住宅と一体化していて、この水面と滝のしぶきが住宅を建てる必須の要素と
なったこと、また住宅を素晴らしいものにしている点が、改めて理解できます。
グッゲンハイム美術館しかり、ジョンソン本社しかり、写真集では伝わりきれない
何かに感動します。
改めて人と建築の関係についても考えさせられます。
建築物とは人が存在する場所でありアートであるということが自然と心に刻まれます。
ライトという天才を知る上で見て絶対に損はありません。
建築家として2倍の人生を歩んだ天才
★★★★★
サイモン&ガーファンクルの「ソー・ロング、フランク・ロイド・ライト」は、美しいメロディーときれいなハーモニーの切ない曲で、私はこれまでその建築家に対して優しい想いを抱いてきました。でももう、そんな先入観は拭い去りました。彼は天才を公言して憚らない豪放な人柄で、その生い立ちや女性関係、私生活での血塗られた事件を含め、劇的な生涯を送った芸術家でした。
この作品は、彼の孫や建築の弟子、評伝作家などの証言を交えながら、フランク・ロイド・ライトの長い一生のドラマを、分かりやすくコンパクトに伝えてくれると思います。彼の建築作品の魅力を探求したい方には物足りないかもしれませんが、このようなドキュメンタリー作品の中ではクォリティの高い部類に入ると感じられ、観て損は無いと思います。'00年にジャズの歴史を18時間に描いて評判となったケン・バーンズの名前を製作クレジットに見つけ、なるほどと思いました。
驚いたのは、約一時間ずつの2部構成のうち、第一部が終わった時点ですでに彼の年齢が60歳を越えていたこと。通常の人生では、ここまでで終息に向かって当然でしょう。帝国ホテル東京や自邸タリアセンに見られるとおり、過度な装飾を避けた垂直水平基調の外観と、インテリアのお馴染みの格子状モチーフが、互いに響き合い調和するクラシカルな音楽のような効果を醸し出し、その建築スタイルは十分確立されているのです。
第二部では、近代的な高層ビル群の建設ラッシュから一旦忘れ去られた彼が不死鳥のごとく蘇り、彼を過去の建築家として葬り去った欧州のモダン建築家から、逆に養分を吸収したかのような底知れぬ創作活動を展開して感動的です。落水荘、ジョンソンワックス本社、グッゲンハイム美術館など、これが第一部と同一人物の設計かと思えるほど。建築の近代化、現代化をまたいだ歴史にそれぞれ傑作を残した巨人ということを思い知らされました。
人としてのライト&建築家ライト
★★★☆☆
建築については浅い私ですが、今まで本で建築しか見たことの無いライトでしたが、こんな人だったのか、こんな人生だったのか、そして、やはり建築家としては天才なんだな、と感じる作品でした。
建築物が設計主の自己満足であってはならない。建築物は全ての人のものである。そう感じることのできる建築が本当の建築物である。今は自己満足建築が多発していますね。
DVDは2部に分かれていて、彼の人生の前半と後半を知ることができます。