綺麗な科学雑誌
★★★★★
科学一般を扱った雑誌です。とてもダイナミックできれいなイラストで、難解な最先端科学を誰にでも分かり易く紹介しています。今の科学がどれぐらいすすんできているかの大枠がよくわかる雑誌になっています。この号ではまた、オオサンショウウオが取り上げられています。オオサンショウウオの生態がよくわかるとても綺麗な写真が多数掲載されています。科学の好きな人には、とても面白い雑誌だと思います。パラパラ眺めていりだけでも、とても楽しい雑誌です。
未解決
★★★★☆
特集は「時間とは何か」。
初めて時間の概念が生まれた2500年前から、最先端の時間の概念までの歴史をたどる。
今回は「時間とは何か」に対する答えが載っていない。
強いて言えば「最先端でもよくわかっていない」というのが答えになるのか。
時間は絶対的なものであるとしたニュートン。
時間は絶対的なものではないとしたアインシュタイン。
時間は本質的なものであるとしている現代物理学者。
時間は創発的なもの(幻想)であるとしている現代物理学者。
「エントロピー」による「時間の向き」の説明や、「時間の最小単位」に関する最先端の考えの説明には
図やなじみやすい例が用いられていてわかりやすい。さすがはNewton。
しかし、結論が「今も物理学者を悩ませている」ではさみしい。やや物足りない印象を抱いてしまった。
その他には「X線で見る宇宙」「脳が物を見るしくみ」「透明標本」「月の最新データ」などの記事がある。
現在、過去、そして未来。「時間」とは何か?
★★★★★
今月の特集は「時間とは何か」。時間に始まりはあるのか?時間に最小単位はあるのか?時間の向きは?時間について、時間と相対性理論、時間とエントロピー、時間と宇宙の起源、時間と量子重力理論、時間とループ重力量子論、といった様々な方向からNewtonらしいVisualな解説で時間の正体に迫ろうとする。
リサ・ランドール、リチャード・ゴット、ロジャー・ペンローズ、リー・スモーリンという4人の高名な科学者が、それぞれ時間についての考えや自説を述べているインタビューも収録されている。正直、禅問答のような話なのだが、それだけに、頭がちょっとリフレッシュする。
それ以外の特集でお勧めなのは、「チャンドラX線天文衛星からの最新画像」。単に見た目のきれいな写真が選ばれているわけではなく、解説を読むと、シンクロトロン放射、最も若い超新星残骸、異なる2つの星が形成される現場、ダークマターといった現象を示しているものが選ばれているようだ。
「錯覚で実感する視覚と脳の仕組み」というのも面白い企画。いろいろな錯覚を誘発する画像がいくつか載っていて、色って何?見えるって何?ということを考えさせる。「かぐや」の探査報告では、月の表と裏での重力分布の違いと冷え方の違いについての報告が個人的には興味深かった。
「身近な?の科学」は、花粉症の季節にタイムリーな企画。「星空の不思議Q&A」では、隕石と鉄の意外な関係について。あと、オオサンショウウオの特集にある、幼生の写真がとても可愛い。