耳慣れない言葉だが、今年は「国際生物多様性年」だとか。巻頭特集では、なんとなくわかるようでわからない、しかし人類も含めて生存のために複雑に関係し合った「生物多様性」の基本を、印象的な写真を多用して解説している。同じ種の間でも多様性があることは重要で、それによって例えば致命的な疫病が流行ったときにいくらかの固体が生き残るといったことに役立つ。だから、絶滅危惧種の絶滅の危険度というのは単純に個体数だけでは決まらないそうである。

次のサハラ砂漠の特集では、ベテラン写真家の野町和嘉氏が撮影した見事な写真の数々に息を呑む。また、サハラ全域に１０万点ともいわれる岩絵がある、というのも紹介されている。約１万年周期でサハラは湿潤を繰り返しているのだそうだ。

3Dテレビの発売に合わせた技術解説もある。「シャッター方式」「変更方式」「分光方式」があり、今回3Dテレビに登場したのは「シャッター方式」。メガネ不要の方式も研究されていて「パララックス方式」「レチンキラー方式」があるが、乗り越えなければいけない課題もまだあるようだ。

他に、金星探査機「あかつき」、ソーラー・セイル、黄金比、纏向遺跡と卑弥呼の関係、液晶TVの仕組み、などの特集がある。

ニュース関連で特に印象的だったのは、ゴムのように弾力性のある鉄合金の開発成功。様々な応用範囲が考えられそうだ。実用化が待たれる。