川北紘一特技監督のTVシリーズ「超星神グランセイザー」「幻星神ジャスティライザー」「超星艦隊セイザーX」の主要キャラクターが総登場する豪華顔合わせの劇場用映画。ストーリーは「セイザーX」の世界観をベースに、悪の宇宙海賊がコスモカプセルを奪還すべく、宇宙の巨悪ボスキートを使って地球を攻撃。対する地球側は万能戦艦・轟天号と五式支援機士ユウヒ（「グランセイザー」で活躍）で対抗するも歯が立たず。ついにはグランセイザー、ジャスティライザー、セイザーXが手を組んで敵を撃滅するという内容。
   多分にシリーズ・ファンへのサービス的要素が濃厚な作品ではあるが、大森一樹監督の本編演出はテンポ良く進み、川北特技監督の特撮もTV以上にスケールの大きな映像を立て続けに披露する大サービスぶり。特筆すべきは往年の東宝特撮映画の名メカニック・轟天号の「ゴジラ/ファイナル・ウォーズ」に続く復活だ。伊福部昭の名曲をバックに出撃するという演出に、マニアは感涙必至。惜しむらくは「グランセイザー」の変身前・人間キャラクターが姿を見せなかったことである。（斉藤守彦）