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心のたどる道

価格: ¥1,260
カテゴリ: 単行本
ブランド: 草思社
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   読者の心に染み込むスザンナ・タマーロの言葉は、澄んだ水のように、シンプルで深い。世界40か国以上で 800万部を超えるベストセラー『心のおもむくままに』の作家による1冊。彼女が行った2つの講演とインタビューからなり、作家の等身大の人生と、それを支える信仰の姿を明かしている。彼女のファンならずしても一読の価値がある。 

 「神秘への驚き」の一篇では、幼いころ抱いた夜への恐れと、それを癒した自然の不思議が語られる。現代の人々は「驚き」の心をなくし、生や死の不思議を「偶然」の産物と片づける。だがタマーロは「『偶然』というのは結局、『神秘』のもうひとつの呼び名だ」と言い、神の必然を説く。「わたしたちはおのおのが世界に一人しかいない、ということは、ある計画があって、そのためにわたしたちが名指しで呼ばれているということだ」

   また「闇から光へ」と題された一篇では、数々の自作を例に、私たちが悪や憎しみから脱し、真理やゆるしに至るための道程を示している。「自分との和解というのは、わたしたちの弱さを認め、わたしたちの過去を、それがどんなものでも受け入れることなのです」

 「書くことはきびしいこと」と題されたインタビューでは、家族や作品、創作の方法などを明かしている。陳腐な文学、と自作を評されることについて「…人生というのは陳腐なものです。…陳腐さから逃れたければ、深い愛をもって陳腐な人生を生きるしかありません」と答えるタマーロからは、とても静かだが強い決意が感じられる。 

 「作家にはきわめて重い責任があるし、いまの時代はこれまで以上にそうだと思います。なぜなら今日では、書かれたもの、書かれたページが、人が静かに自分自身と向き合える、唯一の場所になっているからです」と語るタマーロ。この言葉どおり本書は、静謐(せいひつ)で温かな、大いなる励ましで読者を包み込む。神や信仰はちょっと…という人にも、誰もが持つべき大切な心の姿勢を教え、乾燥した心を潤してくれる1冊である。(濱 籟太)