ザ・クラッシュ・ツアー [DVD]
価格: ¥5,460
さあ、インターネットの世界からとび出そう。巨大ロックショー向きのバンドがあるとすれば、それはボン・ジョヴィにほかならない。このビデオがそれを証明してくれるだろう。ニュー・ジャージー出身の同胞、ブルース・スプリングスティーンのような絶対的なカリスマ性が、このベテラン・バンドにはない。U2の情熱的な社会的関心や、REMの自意識過剰な変わり者の資質といった、80年代に活躍したほかのアーティストが持つ目立った特徴がないのだ。ボン・ジョヴィは、客観的にいって、職人バンドだ。でもこれはけして悪いことではない。彼らの得意技能はスタジアム級の観客に理想的にフィットする、ヘヴィー・フックで飾らないアンセムにある。まさにそれが、2000年ヨーロッパ・ツアーで訪れたチューリッヒ(スイス)の5万人のファンに届けられたわけだ。観客はショーの間中やまない雨にもめげることなく、こぶしを上げ、腕を振り、最初から最後まで一緒になって歌い続ける。
その会場にいたすべての観客は満足して家に帰っただろうし、素晴らしい音質でうまく監修されたこのDVDを買うボン・ジョヴィ・ファンも同じであろうことは容易に保証できる。シンガーのジョン・ボン・ジョヴィ、ギターのリッチー・サンボラ、そのほかのメンバーはステージに走り込み、「リヴィン・オン・ア・プレイヤー」「禁じられた愛」といった最もキャッチーなヒット2曲でライヴの幕を開けた。そのまま2000年に発売された5年ぶりのアルバム『Crush』から7曲、そしてほかのバラードやロック・チューンが多数続く。2時間のコンサートで演奏された20曲がすべて同じように聞こえてきてしまったとしてもだいじょうぶ。DVDの特典をチェックしよう。30分のツアー・ドキュメンタリー、フォト・ギャラリー、完全ディスコグラフィー(ソロ・ワークも含む)、そして2曲のミュージックビデオが入っている。充実の時間が多かれ少なかれ、誰にでも保証されているのだ。(Sam Graham, Amazon.com)