それぞれのシチュエーションについて、多数のバリエーションが提示されている点が使いやすい。たとえば、「確答を避ける表現」については、「Probably(たぶん)」、「Possibly(ひょっとするとね)」、「Certainly(きっとね)」、「I hope so(そうだといいですね)」など、微妙にニュアンスの異なる表現を収録している。これなら状況にぴったりくる表現を選択することができそうだ。また、「Please make yourself at home.(どうぞおくつろぎください)」といった、知ってはいてもすぐに口をついて出てこない慣用語法にもかなりの紙幅を割いている。
また、ユニークなのは付録の「数の英語」。簡単なものも多いが、四則計算の表現など、日本人が苦手とするものをカバーしているのはありがたい。巻末には索引があり、和英と英和の両方向で検索できるようになっている。とっさに必要となったときなどに役立つかもしれない。(成重 寿)