年上超天然ボケで美人ってのも萌えの対象だなあと改めて実感させてくれる。
★★★☆☆
まあ刑事をやっているのでそれなりにしっかりはしているが当たりは柔らかくて、好きな人相手には意外とビビリの築山と、まったくの天然ボケで世間に疎い十歳年上の志紀。
両方ともボケに入るのですが、その度合いが違うので眠たい感じはしません。
そして年上の志紀は天然ボケだけど意外に大胆だったり、年下の築山はちょっとワンコ系だけどでも超ヘタレでもないので、その匙加減が微妙で面白いです。
話の伏線で出てくる事件はまあただ事件ということで、そこにすっごい重要な何かが潜んでいることはないのですが、それによって自分が築山を好きなんだと気付く志紀の可愛さがクライマックス。
大の大人がふと気付く恋心。相手に対して自分が年上であることなどから無理だなと思いながらも何となく思い続ける姿が萌えました。
少しお話的には結局あの人はなんだったのだろうと思ってしまう人もいたりしましたが、そういう部分を差し引いてもほのぼのとした大人の恋の本としてはおススメです。
最初のドキドキはどこへ?
★★★☆☆
イラストが穂波先生ということで遠野先生の作品を久しぶりに購入しました。
冒頭のシーンは「おお!?」と思い、ドキドキしながら読み進めたのですが…。
築山(刑事・28才)×志紀(画家・38才)
隣人の幼馴染。志紀に恋心を抱いていた築山は距離を置く事で恋心を封印。実家に戻り5年ぶりに再会。そこで志紀に絵のモデルを頼まれる(↑冒頭でのシーンです)。そして築山が担当する事件に志紀が巻き込まれるのですが…。
志紀は年齢からオジさん受けを期待すると肩透かし。線の細い和装の綺麗な天然青年風??
受け視点、攻め視点でお互いに対する思いが描写されるので(読み手は)心理を理解し易いです。
二人の関係性と築山の担当する事件が平行して物語が進行します。でも画家とモデルの立場を通して二人の関係に大きな変化はありません。それというのも、志紀は疎いし仙人様のような御方なので築山が途中寝惚けて……な事もありますが「誰かと間違えた??」としか理解してくれません…(好きな人の前でモデルをし、パンツ一枚でイロイロ耐えながら体を張っているのに(笑)…気の毒な攻め;)。
肝心な事件も犯人がすぐ判明し、後は志紀がどう事件に巻き込まれるのかな?…という「こじ付けを待つ」状態になるので、事件物のハラハラ感はなかったです。
頼りがいある優しい攻めと天然な和装美人受け。キャラ設定は物凄く好みですが終盤の濡れ場も最後の方に数ペーシのみで物足りなかった。(仙人の受けは意外に大胆 …)
「芸術家」を前面にした仕事風景にも期待していたんですが…少なくて残念。
後書きに「とても迷いながら書き直しました」とあるように作品にも迷いが露呈しているような印象を受けました。
穂波先生のイラストは期待通りで良かったです。