名作「きいろいばけつ」の続編。
★★★★☆
不安そうな横顔のきつねは、他でもない子供の私たちだ。
凶暴な番犬でもなく、自由な猫でもなく、朗らかな狸でもない。
繊細で、傷つきやすく、夢見がちなのだ。
そのきつねのこが、対岸にいるという
きつねのおんなのこに会うために、
吊り橋をわたろうと考える。
しかしそれはもちろん容易に達成できるものではない。
心の揺れ、震え、そして絶え間ない努力と挑戦
小さな小さな一歩だが、きつねのこは着実に成長していく。
私たちも子供の頃は、こんな風に真摯に努力したはずだ。
そんなことを想い出させられる佳作である。