ローラ・ニーロの最高傑作と呼び声も高い、69年発表のサードアルバム。フィフス・ディメンジョンによるカバーがヒットした<5>や、奔放な<7>などもあるが、全体的には<1>のタイトルに象徴されるような作品になっている。
   大都会に生きる女性の孤独や焦燥感、あるいは情念をとじこめたような、壮絶と静けさが入り交じる個性の強い作品になっている。彼女は、聴き手の好き嫌いがはっきり別れるアーティストでもある。最高傑作だからといって、最も濃いこの作品に初めて手を出すと、初心者は混乱するかもしれない。（麻路 稔）