社会人1〜5年目ぐらいの人は読む価値有り
★★★★☆
人材育成が重視される中、「コーチング」が注目されましたが、
コーチングは上司から部下への対人スキルでした。
上司を選べない部下の立場であっても、上司とのコミュニケーションを
円滑にし、良くするためのノウハウがある。というのが本書の趣旨です。
その結果、会社という組織の中で、自らの仕事が上手く行けば、
成果として自分にも跳ね返ってきます。
現実に、「上司に恵まれていない」と感じている若手の会社人は、
本書のどこかに、現状を克服するヒントが書かれていることでしょう。
双方向の関係性の大切さ
★★★★★
さっそく、序章に紹介されている
「上司と部下の会話」にドキッとさせられました。
〜この会話に出てくる上司は、コーチングの基本を学んでいて、
部下に対する指導に生かそうとしています。
しかし部下の方は、意見があっても問い返すことはせず、その
ままを受け入れる姿勢で、なんとか会話を終えようとしているのです。〜
この本で、問題として提示されているとおり、このような会話では、
いつまでたっても部下と上司の関係は向上しないですよね。
そして、この本では、このような上司と部下の間に生じがちなギャップを解消するための
ひとつの答えとして、部下から上司に働きかけることがあるとして、
「コーチングアップ」という考え方を紹介しています。
本著を読んで、
上司が部下に働きかけて、部下がその通りに責任を果たすだけでは不十分!
つまり、双方向の関係性が思った以上に大切だと思いました。
「これは上司の責任だから」とまかせっきりにするのではなくて、
部下自らも、よりよい成果を目指して働きかけること。
〜これが、成功の秘訣なのかもしれない…と強く感じました!
気づかせてくれる一冊
★★★★★
コーチングが普及したと言えども、上から下へ「諭す」「教える」
「気づかせる」ようなイメージを持っている人もまだ多いかも
しれません。
本書ではコーチングアップという言葉を使っていますが、
コーチングの技術を部下から上司にも応用できる、というのが
内容です。
「人にやさしく」と思っていても、自分が気づかないうちに
厳しい目を向けている相手……それが上司ではないでしょうか?
完璧な上司などいないのに、「話を聞いてくれない」「いきなり
方針を変える」「決断力がない」と愚痴は尽きないものです。
本書には、それを人と人とのコミュニケーションとして、
どう円滑に持っていけるかのヒントが書かれています。
もしかしたら、当たり前と思うことばかりかもしれませんが、
そんな当たり前のことが出来ていない自分に気づかせて
くれる本でした。
読み終わって元気が出る、また謙虚な気持ちになれる本です。