リトルトウキョー殺人課 [DVD]
価格: ¥2,625
1991年製作の、マーシャル・アーツを多用したアクション・コメディ。ドルフ・ラングレンとブランドン・リーが扮するロス警察の警官が、日本の麻薬ディーラーに立ち向かう物語で、『デッドフォール』『リーサル・ウェポン2』(両作とも本作の2年前に公開)のようなB級テイストに満ちている。もっとも注目された『ロッキー4』(1985)から『ユニバーサル・ソルジャー』(1992)に至る間、ラングレンは“新たなシュワルツェネッガー”と目され、ボックスオフィスを賑わすと見られていた。監督は、そのシュワルツェネッガーの『コマンドー』(1985)も手がけたマーク・L・レスター。この俳優も、この監督も、ビデオ直行の作品と割り切っているように見受けられるが、リー(ブルース・リーの息子)は、本作を『クロウ』への足がかりにしている。
75分の上映時間というのは、製作側の自信のなさの表れと、本当に不要な場面をカットした結果だろう。アクションの合間を埋めるのは、戦慄を予感させる会話、よくあるスリル、そして、これは納得できるのだが、ラングレンとティア・カレーレのロマンスだ。ジョン・カーペンター監督の1986年のファンタジック・コメディ『ゴースト・ハンターズ』(原題:Big Trouble in Little China)のタイトルを受け継ぎ、後の『ラッシュアワー』(1998)を予感させる本作は、下品なジョークと、ばかげているために予期せぬ大爆笑を引き起こすアクションが交互に登場。映画の信条なんてあっさりと蹴散らかしてしまう勢いは感じられる。つまり、出来が悪いが故におもしろく感じられる娯楽作なのだ。(Gary S. Dalkin, Amazon.com)