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西欧の植民地喪失と日本―オランダ領東インドの消滅と日本軍抑留所

価格: ¥35,426
カテゴリ: 単行本
ブランド: 草思社
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「蘭印収容所症候群」とは−オランダ植民地支配の苛政を糺す。 ★★★★★
1992年原著初版、邦訳は1998年。 筆者カウスブルック氏(1929生れ)は、オランダで著名なエッセイスト。 本書は、蘭印(オランダ領東インド。現在のインドネシア)の農場主の息子であった筆者が、少年時代、進駐した日本軍抑留所で過ごした4年間の回想と、日蘭の植民地政策比較論である。 しかし、寧ろ主眼は蘭印におけるオランダ人の苛政と、戦後、オランダ本国への引揚者への資料批判が中心で、当時の日本の国家戦略(戦争目的)に対しては、著者の辛い体験を考えれば感心するくらい公正な記述になっている。

元々が欧州のインテリ向けに書かれた本で、当時の蘭印事情およびレトリックに疎い我々日本人には分かりにくいところがある(翻訳の問題も、あるかも知れない)。 しかし、文体に慣れれば、「歴史認識」に興味のある人なら半日で一気に読んでしまえる筈だ。

本書を読んで、日本によってアジアから駆逐されたオランダ人(インド、ビルマ/インドシナから逐われた英国人とフランス人も程度の差はあれ同様)が、日本に根強い憎悪を持ち続けている理由が、(こっちから見れば逆恨みであるが)より一層、鮮明になった。

なぜかインドネシア独立戦争について言及されていないのが残念であるが、現代日本人が先の大戦の意義を、ステロタイプな善悪の評価を離れて自分の頭で考えるための必読書の一つと思う。

併読のお薦めは、清水馨八郎著「侵略の世界史―この500年、白人は世界で何をしてきたか」、栗原宏文 著「歴史洗脳を解く!―ネット授業で大学生はどう変わったか」、櫻井よしこ著「GHQ作成の情報操作書「真相箱」の呪縛を解く」の3冊、及び、1951年のマッカーサー将軍・米上院証言録(邦訳は産経新聞社から出版準備中だそうだが、原文は産経の月刊誌「正論」のサイトで閲覧できる http://www.sankei.co.jp/seiron/maca/2005/maca/exp1.html)。
著者の正義に頭が下がります。 ★★★★★
私が子供だった頃、社会科の先生からオランダに行かれた時の話を聞きました。
それは「夜、街を歩いていると石が何度か自分目掛けて飛んできた。辺りを見回すと子供が、投げているのだった。年配者なら分かるがなぜ、子供が!?と驚いた。自分は小柄で眼鏡を掛けてカメラを持ってる典型的な日本人らしい日本人だったからだが、この国の教育や言語空間が、そうさせているのだろうと考えた」と、言う話でした。
上記の様な状態のオランダで出版された本だと考えると、この著者は大変だっただろうと思う。
それゆえに著者に対して尊敬の念を覚えるのです。

夜更かしして最後まで一気に読みきってしまいました。
ルディ カウスブルックさん、有り難う!

東インドのオランダ人 ★★★★★
オランダには強烈に日本を憎む老人達がいる。かつての東インドのオランダ人。
彼らは植民地のインドネシア人を奴隷のように扱い、王侯貴族のように君臨していた。
アジア人種は欧米人種より劣るという(彼らの)理由から、それを自然として享受していた。
そこへ日本軍がやってくる。「アジアはアジア人のものだ」という当面の(半分は本気の)
大儀をかかえて。
たった8日間で東インドのオランダ帝国は崩壊する。
白人至上主義が非西欧の曲がり足の黄色い猿(日本人)に崩される。

オランダ人を捕虜抑留所に入れた日本兵は、残虐行為も行う。

ちょっとでも(西欧人が)抵抗の気配をみせたり、”場違いな西洋人の優越感”を示そうものなら、
即刻、(日本兵は)わが使命とばかりに殴りつける。

むきになって制裁を加えた日本兵。白人の優越感、しいては黄色人の劣等感は、
彼らのもっとも嫌うところであったことは現代人には理解しやすい。
著者は人種差別がない人間で、日本兵がオランダ捕虜にやった残虐行為を、インドネシア人を奴隷
扱いしていたオランダ人が責めることは出来ないと言う。

残された日本兵の日記には、暴力の渦中(暴力行為をし、戦局が逆転すれば受けもする立場)
にいて、その暴力の下らなさを諦観する内容が目立つ。
東インドのオランダ人は、優勢人種の権利(暴力)を取られたことに苛立ち、
日本側は、暴力によって自分の人種的劣等感を打ち砕こうとする。

優勢側が暴力をふるう、劣勢側が暴力をふるわれるという戦争定理。
白人至上主義 対 人種劣等感打破、
生を謳歌したい西欧人 対 死か国家の勝利しかなかった日本人

また戦後に書かれた著書が、どれだけ著者の解釈、「決まり文句」にゆがめられ、
実質的体験からかけ離れたものであることを警告する内容。良書です。

「朝日新聞」の姿勢 ★★★★★
日本軍がアジア諸国を侵略したといった類の「反省」は日本のメディアに頻繁に現れるのに、英国やオランダが行ったことはほとんど問題にされない。そしてひたすら、英国人やオランダ人が、太平洋戦争中、日本軍の捕虜になって苦しんだといった記述ばかりが現れる。その最たる場が「朝日新聞」である。

しかしオランダ人であり、抑留経験もあるカウスブルックは、多くのオランダ人が、日本の侵攻によって結果的に東インド(インドネシア)を独立させられたことに怨みを抱き、黄色人種でありながら白人に逆らうなどというのは生意気だと思っている、と指弾する。しかしこれほど重要な本を「朝日」は書評に取り上げようとせず、アジアのみならず英国やオランダに対してさえ、ひたすら、日本の「反省・謝罪」が足りないと言い募るのだから、「自虐」と呼ばれても仕方あるまい。ようやく、日英同盟百年を期に、木畑洋一氏による英国の帝国主義への批判が載ったのが救いである。戦勝国の行為も指弾されなければならないという当然の立場に「朝日」が立ち返ることを期待したい。
風車とチューリップと植民地 ★★★★★
「赤道にかかるエメラルドの首飾り」と称されたインドネシアがあの「小国」オランダが大国になる富をもたらした、とも言われています。そのオランダが戦時中の日本の行動(このこと自体いろいろ論議されていますが)に対して口を開く時に、では己がインドネシアに対して行ったことは棚にあげて・・・?とsilent majority は思うのです。そんな疑問に答えてくれる一冊がこの本です。私自身はオランダが大好きです。チューリップ、チーズ、風車、木靴、節約家・・・以上にオランダに関して勉強してきましたし、オランダ語も学習してきました。だからこそ、よけいにこの類の難しい問題からも目をそらさず、きっちりと勉強して物事の本質を理解していく必要があると思いました。出版されてすぐに買い求め一気に読みました。難しい事柄に対する答えもたくさん見つかりました。と同時にオランダに対する理解が深まりオランダという国が(安心して?)ますます好きになりました。好きだからこそ勇気をだして読まなければならない書だと思います。