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アインシュタインの夢 (ハヤカワepi文庫)

価格: ¥97
カテゴリ: 文庫
ブランド: 早川書房
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さまざまな「時間」の世界 ★★★★☆
天文物理学者でもある著者が、アインシュタインの夢として、さまざまな「時間」の世界を小説風に語ったもの。時期は1905年(奇跡の年)に設定され、アインシュタインが特許局に勤めていた頃の夢として記述されており、30もの「時間」の世界がそれぞれ4〜5頁程度に纏められていた。「時間のない世界」、「時間が逆に進む世界」および「不連続な時間の世界」など普段あまり考えたことのない世界をみることができてとても新鮮だった。また、著者観点の叙述のみで語られているスタイルも、内容がスッキリとして伝わってよかったと思う。
感性を刺激する詩的な側面よりも、科学的な疑問が勝ってしまいました。 ★★★☆☆
 あまり楽しめませんでした。
 ヨーロッパの映画の一場面が思い浮かぶような詩的な表現に多少の刺激はうけたものの、創作の前提としている科学理論の取捨選択が恣意的ではないかなと気になってしまい十分に自由な気分を味わえませんでした。現代人のそのままの姿に時間がとりうる様々な可能性を当てはめてショートストーリー群が語られていきますが、それぞれの時間の実装にあわせて生命の進化自体が変わってしまうのではないかという疑問が勝って純粋に空想を楽しめないのです。現実の人間としてのアインシュタインが日々の経験の実感とは異なる理論に取り組むにあたってこういった啓示をうけたというフィクションも理屈としてはありえるとは思うのですが。自由な想像を楽しむにしては、テーマが一本調子ですこししつこく感じるからかもしれません。
 科学書の分野の範囲では「詩的な側面をもった科学書」として目立つのかもしれませんが、そこを楽しむのであれば純粋に文学的な作品にふれればいいようにも思います。
ドラマ化されたら見てみたい ★★★☆☆
ザ・プロフィットの中で紹介されており、題名も面白そうなので読んでみることにしました。時間というものを題材に30ものショートストーリーを作り上げるという発想は確かにすごいなと思いましたが、私に想像力が無いのか、あまり楽しんで読む事ができませんでした。
いくつかは面白いと思えるストーリーもあったんですけども。でも、不思議な世界という点では、ドラマ化すると面白いかもしれません。(既にされているかもしれないですが…)
発想をオープンに ★★★★☆
「ザ・プロフィット」(エイドリアン・スライウォツキー)の
中で課題書に入っていなかったら手には取らなかっただろう。
著作の中の先生チャオは、「発想をオープンにする事」を
目的にこの本を指定する。

分かっちゃいるけど、自分たちの世界は一瞬一瞬の選択により、
次々に選び取られ、変化してゆく。
私たちはついつい目の前の事に真剣になるあまり

視野が狭くなってしまうが、
自分を時間の旅人として、どんな選択肢もありうるのだと
客観しさせてくれる本。

物理学者でもある筆者が、26歳の相対性理論発表前の
アインシュタインが見たであろう夢を日記形式で記す
エッセー/小説。その文体やイメージも緩やかで好ましいが、
それ以上にあらゆる瞬間の自分の選択によってあらゆる!

時間の可能性に進んでゆくというアイディアを見事に表現
している各ストーリーが秀逸。
枕の友に。

詩的で不思議な小説世界 ★★★★☆
短い不思議な物語の数ã€...が陳åˆ-されたショーケースのような小説。ã"れが展覧会だとすれば、陳åˆ-されているのはマグリッドの絵というとã"ろか。作è€...が現職の理è«-天æ-‡ç‰©ç†å­¦è€...というã"とで、SF色の強い理屈っぽい小説かと思って読み始めたが、まったく違っていた。ヨーロッãƒ'の香り漂う古都ベルンが主な舞台というã"ともあるのだろうが、詩æƒ...溢れるç"ºä¸¦ã¿ã®æå†™ã‚„ç°¡æ½"な人ã€...の会話にはエレガンスが漂い、ã"の小説が審美的なæ-‡èŠ¸ä½œå"ã§ã‚ã‚‹ã"とã‚'印象づã'ている。

一つ一つの物語は掌編ともいうべき短さで、簡æ½"ã"の上ない。それぞれが独立ã-た物語で、äº'いにストーリー上のé-¢é€£æ€§ã¯ãªã„。ã"れらの物語ã‚'一つにまとめるのは、時é-"というテーマと、ã"れらがアインシュタインによってみられた夢だという小説ç!š„!!な仕掛ã'である。それぞれの掌編が、それぞれに奇妙な時é-"について語る。å...¥ã‚Šçµ„ã‚"だãƒ-ロットはなく、それぞれの掌編が不思議なæƒ...景ã‚'æ·¡ã€...と描き出すã"とで成り立っているが、そういうとã"ろもマグリッドの絵ã‚'思わせる。奇妙な時é-"とそã"で繰り広ã'られる奇妙なæƒ...景ã‚'扱いながら、作è€...の筆はあã-とい前衛的な叙述に走らず、あくまで古風な物語作è€...のå...¸é›...さã‚'たたえている。

ç' æ™'らã-いのは、それらの掌編が単に絵ç"»çš„なæƒ...景ã‚'描き出すにとどまらず、ある時はアイロニカルに、ある時はせつなく、ある時は感動的に、そã"にç"Ÿãã‚‹äººã€...のポエジーã‚'も描出ã-ているã"とだ。例えば、原因と結果が不安定なä¸-界では将来に対するæ‰"ç®-は存在ã-ない。死にかã'たå"父さã‚"ã‚'親æ-ãŒåŠ±ã¾ã™ã®ã¯éºç"£ãŒæ¬²ã-いからではなく、å"çˆ!¶ã!!•ã‚"ã‚'愛ã-ているからであり、ã"のä¸-界では、「…どのキスもやむにやまれぬキスである」。時é-"が逆に流れるä¸-界で友人のå¢"の前に佇むç"·ã®æ€ã„。未来や過去が風景のように目に見えるä¸-界で、幼い頃の自分の写真ã‚'眺めるäº"十歳の女。時é-"が無数に反復するä¸-界で、ãƒ'ァイオリンã‚'弾きながら妻と別れるべきかどうか迷うé'å¹'…。

ä¹...ã€...に独創的な美ã-い小説ã‚'読ã‚"だæ°-がã-た。一貫ã-たストーリーがないため、ã"のような小説ã‚'読みæ...£ã‚Œãªã„読è€...は面食らうかも知れない。タãƒ-ッキの幻想小説などが好きな人はお勧め。