この『レッドオクトーバーを追え』のオリジナル・サウンドトラック・アルバムは、長きにわたって確立されてきたジャンルのひとつである「冷戦をテーマにしたアクション・スリラー」（そしてそれをさらに細かく分類した、「原子力潜水艦の脅威をテーマにした金もうけ主義のお粗末な作品」）の最後を飾る名盤と言えるだろう。きっと、作曲者であるベイジル・ポールドゥリスはすでに最後を予期していたのだろう。一切の手抜き、妥協の見られない素晴らしい音楽を作り上げた。ポールドゥリスは（以前、映画「若き勇者たち」に提供した曲をもとにしている感があるが）、オーケストラによる重厚で荒々しい曲にさらに男性コーラス（もちろんロシア語で歌っている）まで付け加えた。まるで昔のエリック・コーンゴールドとエロール・フリンの映画の感覚を現代に再現したかのような作品で、この種の伝統がまだ生き長らえているということをしっかりと示してくれた。(Jerry McCulley, Amazon.co.uk)