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ロッソ・アモーレ

価格: ¥2,520
カテゴリ: CD
ブランド: ワーナーミュージック・ジャパン
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   フィリッパ・ジョルダーノの衝撃は"歴史の必然"であった。デビュー作『フィリッパ・ジョルダーノ』が、マイクを前提とした扇情的なファルセットを駆使した、ホイットニー・ヒューストンやマドンナを思わせる歌い方によって、オペラの至宝とも言うべき選り抜きのアリア・ナンバーに新しい生命を吹き込んでいったときに、古いベルカントの慣習は粉微塵に破壊され、そのかわりに新たな危険なエロスがついにさらけだされた。しかし、それは作曲家たちが作り出した、基本となる旋律が永遠の生命を持っていることの証明でもあった。何といっても、オペラハウスの堅い扉をこじ開け、あのベッリーニの「清らかな女神」を引っ張り出してきて、20万人もの日本人をゾクッと魅惑したのはやはり凄いことだったのだ。

   今回の新作は3分の2は書き下ろしのポップソングになっており、フィリッパ・ジョルダーノの音楽的土壌が、極めて上質なアメリカン・ポップスに裏付けられたものであることが、さらに明確になった。全体の曲調はみなゆったりとして懐深く、気持ちをうっとりさせてくれるアルバムに仕上がっている。

   とりわけアルバム・タイトル曲の「ロッソ・アモーレ」は愛に満ちたスケールの大きな素晴らしい名曲で、メロディの流れは感動的である。「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」の作者として知られるフランチェスコ・サルトーリと、ホイットニー・ヒューストンやセリーヌ・ディオンを生んだアメリカ屈指の名プロデューサー兼作詞家のデイヴィッド・フォスターとのコラボレーション。他の曲でも、イタリア映画音楽界の巨匠エンニオ・モリコーネや、イタリア・オペラ界の頂点に位置するミラノ・スカラ座音楽監督リッカルド・ムーティの夫人で、ラヴェンナ・フェスティヴァル総裁クリスティーナ・ムーティが参加しており、問答無用の豪華なスタッフである。

   オペラ・ナンバーで特に注目されるのは、プッチーニ《蝶々夫人》から「ある晴れた日に」と、「ハミング・コーラス」。プッチーニの甘美な旋律と玄妙精緻な和声がポップスに転換されており、かなりどっぷりと浸れる。(林田直樹)