Portrait-木住野佳子 ベスト・セレクション
価格: ¥3,000
初のベスト・アルバム。全15曲中13曲は1995年のデビュー作『フェアリー・テイル』から2002年の『シエスタ』に至る6作品に入っていた演奏。要するにクリスマス・アルバムを除く全作品から選曲されている。そのうちデビュー作と『テンダネス~マイ・バラード』からは各4曲。どうやらこの2作には特別の思い入れがあるようだ。ちなみにデビュー作にはマイケル・ブレッカー、マーク・ジョンソン、ピーター・アースキンらが参加していた。一方2000年録音の『テンダネス~マイ・バラード』はストリングスとの共演が話題になった作品。<14>はアルバム未収録曲で、CF用に録音したリズミカルな演奏。<15>はビル・エヴァンス・トリビュート作『メモリーズ・オブ・ビル・エヴァンス』のために録音した静謐(せいひつ)なトリオ演奏。というわけで、ここにはさまざな表情の木住野がいる。第3作『ランデヴー』まではスタインウェイ、その後はベーゼンドルファーを使用しているので、98年を境にピアノの音色が微妙に変化する。そのあたりの違いを聴きわけるのも楽しい。(市川正二)