本作でのブラウンは、これまでになく楽しげだ。だがデビュー以降、しだいに個人的なことよりも政治的なことに関心を向けるようになったこのシンガーソングライターが楽天的な瞬間を見せるのは、ほんの束の間のことだ。陽気な見かけの内側では、ブラウンと仲間たちが過酷なツアー生活と向き合うのを避けるようになった時期も見つめている。ドラッグや、その場かぎりのつきあいしかできない女性不信について何度となく語る言葉や、タイトル曲の「かつて自分を救ってくれた友人たちを見まわす/その目をのぞけばわかる、彼らもまた走り続けていることが」という目の覚めるような歌詞を聴けば、ブラウンにとって普通の暮らしよりもロードでの暮らしの方がはるかに心安らげることがわかるはずだ。(Jaan Uhelszki, Amazon.com)