これまでのアルバム＆サウンドトラックから厳選したバラードナンバーに加え、新曲、未発表曲も楽しめる、ロクセットのバラードベスト。マリーのせつないヴォーカルが神聖に響きわたる1990年の全米ナンバーワンヒット<2>（サウンドトラック『プリティ・ウーマン』収録）、デビュー曲「ザ・ルック」に続き、2曲目の全米ナンバーワンに輝いたロックバラード<2>、ドラムループとオーケストラアレンジによるミディアムスロー<11>などのヒットチューンや、マリーのコーラスを従えてペールがリードヴォーカルを担当する優しいスローナンバー<1>、爽やかなサウンドにマリーの心温まる歌声がきらめく<15>の新曲2曲も聴き逃せない。
   1989年にポップな「ザ・ルック」で衝撃的なデビューを飾り、わずか3年で4曲もの全米ナンバーワンヒットを生み出してしまったロクセット。スウェーデンポップのエッセンスをもった陽気なポップロックの中にも、北欧ならではの哀愁感を絶妙にアレンジする才能がビッグヒットを導き出すのだとすれば、ロクセットのベースには必ずやバラードが存在するはずであり、本作こそグループのルーツを集大成した真のベストアルバムと位置付けられる。（速藤年正）