インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

Cultural Norms and National Security: Police and Military in Postwar Japan (Cornell Studies in Political Economy)

価格: ¥2,495
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Cornell Univ Pr
Amazon.co.jpで確認
理論と歴史の折衷? ★★★★☆
有名な国際政治学者による、構成主義的な視点からの日本の安全保障政策に関する(ドイツとの比較における)分析です。星の数は、四つより少し少な目くらいのつもりでつけました。

構成主義ということで、リアリズムやリベラリズムに対する理論的な批判を行いつつ、「制度化された規範」という概念を基礎に、ルールの概念に関するロールズ的な二分類、国内的安全と対外的安全との兼ね合い、そこにおいて法規範の持つ意味などを分析枠組みとして、日本の戦後安全保障政策を論じています。

ただ、そうした理論的枠組みは、精緻に適用されるというよりは、比較的緩やかに用いられており、全体として、ナラティヴな分析に近いものとなっています。その意味では、そうしたナラティヴな分析が、どちらかというと、歴史学的なアプローチで発展してきた日本の今までの国際政治学の成果と、同じ日本という対象を扱った場合に、どの程度差異化が図れているのか、という点があるかと思いますが、その点、それほど刺激的ではない気がします(理論がやろうとしていることの達成度としても、分析の具体的な結果としても)。

そういうわけで、全体としては、日本の刑法研究書などにまで言及し、全体の三分の一を注釈と文献リストで占めている点、丁寧な研究だと思いますが、理論面・内容面では、その判断は人によって分かれそうな感じがします。ただ逆に、そうした未熟な面が見えてくる点、構成主義への興味から読まれるには、批判・考察の材料として役立ちそうですし、また、実証自体は比較的細かく立ち入っているということで、日本の政策への興味から読まれるにしても、損はないかと思います。