アポトーシスに関する密度の濃い入門書
★★★★★
アポトーシス研究の第一人者、田沼靖一氏の1994年の著作である。2006年の現在から見れば、12年前の本であるから、新しい本ではない。しかし、非常に良い本であり、医学・生物系の学生が、アポトーシスについて学ぶ入門書としては、現在も全く価値を失って居ないのではないだろうか。−−150ページに満たない本だが、密度の濃い本である。−−アポトーシスと進化の関はり、アポトーシスとドーキンスの利己的遺伝子の理論との関はり、等に冠する著者の考察などは、哲学的で、知的興奮を与えられずに居られない物である。
(西岡昌紀・神経内科医)