スケートボードとヒップホップ・カルチャーはいつだってすてきな仲間を生みだしてきたが、その両方を求めるならトミー・ゲレロを聴くしかない。このスケートボード界のアイドルは、スケートボーダーとしてこれ以上ないほど有名になりながらも33歳にして引退し、もっとのんびりとした趣味に専念することを決意した。そのすばらしい成果である本作が、「キャンプファイアーのそばでリラックスする」ために作られたのは間違いない。ここで聴けるのは、ほんの少々のカントリー、ほんの少々のロックンロール、ベック風のポスト・ロック・ブルースの融合サウンド、さわやかなサマー・ジャズ、その他リュックサックから取り出せるありとあらゆる要素だ。「Pescadito」では、ニルヴァーナの「Come As You Are」をドラム・マシーンの叩き出すビートにまで削ぎ落とし、「Soul Miner」では、熱いバターでいためた70年代ソウルをにじませる。「4 Track Samba」はまさに曲名通りにブリキを叩いている。「100 Years」のサウンドは、ウクライナの田舎者が夕暮れどきにヒップホップのスローガンにうなずいている。本作の音楽は、キャンプファイアーの火でマシュマロを焼くときのBGMにうってつけだ。（Paul Tierney, Amazon.co.uk）