読みにくい
★☆☆☆☆
目的が漢文の勉強ではなく,趣旨を知りたい者にとって、文書構成が悪くて読みにくい
あまり堅苦しく考えず、説話の豊富な実用書として楽しもう。
★★★★☆
著者は「韓非子は政治哲学ではなく政治学だ」と主張しているが、けだし明言である。
著者の意見に全て賛成しているわけではないが、「論語」「老子」と「韓非子」を同列に並べるのはオカシイという説には賛成である。「論語」は道徳であり、「老子」は哲学であり、「韓非子」は実用書である。
「十過」「内外儲説」といった、いわゆる君子の心得を書いた章を中心に上巻を構成しているが、特に「十過」の解説が素晴らしい。単に説話の解説にとどまらず、歴史的背景や登場人物の人となりについても、詳細な説明を加えている。そのため、登場人物のことをよく理解することができ、ひいては説話の意味を深く味わうことができた。
考えてみれば、歴史上の人物の逸話やエピソードをなどは、その人の具体的な業績に関する知識があってこそ心に響くのである。
後編はいわゆる「君主論」から「支配体制論」に主眼を移すとのこと。乞うご期待。
マネジメントの本として読むといいかも
★★★★★
『韓非子』の解説書という位置づけになるのだろうが、原文や読み下し文に煩わされることがないので、非常にとっつき易い。また、談前・説後といった形で、著者による歴史的な経緯及び説明が付されており、理解がはかどる。たくさんの歴史的事件を例にあげながら、君主に対して心得を説くという体裁も、本書の実用性を高めている一つの要因であろう。マネジメントの本として考えれば、多くの社会人にとって有意義なものと考える。