【激励のバイブルです!】
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まずは、表紙のインパクトに惹かれました。
そして、最初のページをめくると【大人になってから、誰かに本気で励まされたことがありますか?】と、いきなり考えさせられるフレーズがありました。
励ましてくれる人は、常にポジティブな言葉をくれますよね。ポジティブ人間でないと、人を励すことなんかできないよなぁと考えさせられました。
言葉遣いをポジティブにすることで、自分の心の健康を保てる、さらには、相手を元気にすることができるということがよくわかりました。
この本では「ポジティブ変換」と「セルフペップトーク」が特に収穫があったと思いました。
「何かにチャレンジしようとする人」、「諦めない心を養いたい人」、「心の健康を良化したい人」には、是非、お奨めの一冊です。
自分の部下を元気にしたい
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私は決して、皆の太陽であると言い切れるほど明るくはないが、多くのプロジェクトを通して前向きに難問を解決し、改善してきた自負はある。
しかし、ときに自分のポジティブさが、組織の中で空回りし、自分の熱意が若い部下に通じず「何、熱くかたっての、このおっさん」という冷たい視線を感じることもある。
組織を元気にしたい、自分のチームjを活気に満ちた環境にしたいと思っていたときに、著書の岩崎由純氏の「ペップトーク」の講演を聴く機会があり、感銘してこの本を購入した。
「ペップトーク」は直訳すると、「励ましの言葉がけ」ののだが、著者が紹介しているのは、スポーツ映画のシーンで見られる、試合前のロッカールームで監督が選手に対して行う激励のショートスピーチである。
試合前のほんの数分間で、選手が抱えているネガティブなイメージを勝利の確信に変える「イメージのパラダイムシフト」と「モチベーションアップ」を同時に行ってしまうというもので、著者は「究極のショートスピーチ」と呼んでおり、それをビジネスの現場で活かそうというのが本書の狙いである。
私のように開発畑の人間は、営業畑の人間のように人前で上手く喋ることは苦手な人が多いと感じる。また、論理的に物事を考え、メカニカルに業務を処理する人種にとって、エモーショナルなスピーチという行為自体が相反する分野の能力のように思われる。
しかし、さすがにアメリカンフットボールのような近代競技を発展させたアメリカは違う。ペップトークというショートスピーチの中に、コーチングとメンタルコンディショニングの最終仕上げとしてのロジカルなシナリオを組み込むのである。
書写が日本のアスレティック・トレーナーの第一人者ということもあり、実に論理的にペップトークのメカニズムを究明している。単に「頑張れ」という言葉がけではなく、相手の潜在意識にある不安要素を察知して、そのイメージを言葉の力によってポジティブに変える「イメージのパラダイムシフト」がペップトークの奥義なのだが、それをこの一冊で学ぶことができる。
他に類を見ない「組織活性化」の教科書であると私は思う。