2番目の子どもが小さなネズミだとわかったとき、リトル家の人々はどんなにか驚いたことだろう。「ニューヨーク・シティではどんなことも起こりうる」ことをよく知っているリトル家は、小さなステュアートを黙って受け入れる。といってもネコのスノウベルだけは、本能的にちびのネズミがどうしても好きになれない。一家はステュアートのためにマッチ箱でベッドをこしらえ、子どものネズミが必要としそうなあらゆるものを用意する。こんなに洗練されたネズミに、赤ちゃん服は似合わないと思ったミセス・リトルは、ステュアートにスーツまで着せてやる。ステュワートはお返しに、大きな家族の手の届かないところに転がった卓球のボールをとりにいく。
E.B.ホワイトはアメリカの田舎の旅にステュワートを送り出し、このネズミと読者は、多くのおもしろい人物に出会っていく。ヨットレースの興奮から、代用教師の目に見えない恐怖まで、ステュアートは次から次へと冒険に巻き込まれていく。これははじめて家を出て、成長し、究極的に自分を探し見つける物語である。どうかすれば誰だって、家族や世界のみんなはすごく大きくて、自分だけがネズミみたいにちっぽけに感じることがあるのではないか?(9~12才向け)