MTVにはまっているティーン向けにパンク・ポップをやれば銀行口座の残高は増えるだろうが、信用度を高める上ではあまり役に立たない。幸いなことに、ミリオンセラーを誇る3人組ユニット、ブリンク182のうちの2人、ギタリストのトム・デロングとドラマーのトラヴィス・バーカーは、この葛藤から抜け出す方法を見つけた。2人でボックスカーレーサーを結成してこのレコードを収録したのだが、上辺の飾りを取っ払って、騒々しさはパワーアップさせたのだ。高揚感あふれるメロディを突き刺さるような鋭いリフと耳をつんざくようなリズムで包んだフガジやリフューズドのような激しいハードコアグループを参考にすることは、不吉な道を歩んでいるように見えるかもしれない。しかし、Maybe I Don'tやI Feel Soなどのボックスカーレーサーの歌は、ブリンク182の典型的なドタバタ演奏よりも重いテーマを取り上げてはいるが、それでも大した違いはない。レコードのプロデュースは、ブリンク182の過去3回のアルバムを仕切ったジェリー・フィンで、ゲストヴォーカリストとしてシンガー・ベーシストのマーク・ホッパスを迎えている。 --Aidin Vaziri