我が島ぬうた Song of My Islands
価格: ¥2,940
沖縄・八重山を代表する若手唄者・大島保克は、前作『東ぬ渡』から急に注目を浴びるようになってきた。
祖父や父は島の有名な三線弾き、母方は安室流師範の家系であり、代々「ひばり」(歌が得意の意)の屋号で呼ばれている。そんな家に生まれた大島は、幼いころから島唄に囲まれていた。この環境が、口伝のような形で伝えられてきた琉球民謡を、若い大島に会得させたのかもしれない。しっとりとした歌声の奥に、どこか洗練された透明感を感じさせ、伝統音楽というよりポップスとして楽しめる。
本作では、数百年にわたって歌われ続けた八重山の唄の数々が、大島の声と三線だけで録音されている。1人だけでの全曲録音は始めてのことらしい。つぶやくような歌声にぽつりぽつりと三線の音がより添い、沖縄のさまざまな「心」や「風景」がほのかに立ちあがってくるような気がする。疲れたときにはこのアルバムを聞いて、ちょっと力を抜いてみるといいだろう。(新井由己)