ライフログって何？提供できるサービスとは？企業側のメリットは？
必要なインフラ整備は？個人情報の捕らえ方は？等、
基礎知識やこのビジネスの課題と解決策が分かりやすくまとまっています。

普段、何気なくつかっているケータイのアプリや機能をはじめとする
色々な事柄が違った視点から見えるようになって面白いと思います。

今年の情報処理学会でもおおきなテーマとなっているライフログのビジネス面からの啓蒙としてはじめての書として評価できるが、読者としては以下の点で視点を拡大して注意して読むほうがよいと思う。

１．著者の視点はあくまでもＮＴＴ，ＫＤＤＩといったガラパゴスケータイの現状からビジネスを想定している。携帯電話がライフログのインフラとして最重要だが、ガラケーから脱皮した観点からももっと洞察してほしかった。

２．購入記録からのレコメンドなどの利用者サービスのビジネスを主体に記述されているが、利用者集団のライフログ情報が貴重なビジネス現となることの考察が欠けているように思う。利用者にとってはフリー（ただ）のサービスになるが、情報が大きなビジネスモデルとなる。ＧＯＯＧＬＥがそうして巨人化したことの意識などが必要と思う。

３．個人情報の扱いについて、特定の個人と結びつけられなければＯＫという楽観的な視点（これはわが国総務省の視点と同じであるが）、で書かれているが、情報はシステム的にははいとも簡単にむすびついてしまうこと、結びついていることがわからないことなど利用者にとってもマイナス面や暗部をきちんと指摘しなければただ携帯業者や地図業者の立場を代弁しているだけの安直な意見になりはしないかと考える。

ライフログ （属性情報の収集）というキーワードを
流行らせたいのだろうか･･･

いかにして、自分のログやネットでの痕跡を
集められないようにするか、その部分に注意を払いたい。

いま、いろんなところで話題になっている「ライフログ」。
網羅性をとても意識しているように感じました。

関連業界の人には、全体像をおさらいできます。
これから学んでいく人には、とても難しいことが簡単に丁寧なわかりやすい言葉で書かれています。

秋の読書にお勧めの一冊！