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邪悪なものの鎮め方 (木星叢書)

価格: ¥1,728
カテゴリ: 単行本(ソフトカバー)
ブランド: バジリコ
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現代日本は「子ども」の数が増えすぎた社会である。 ★★★★★
『現代日本は「子ども」の数が増えすぎた社会である。』

少子化が言われて久しい昨今ですが、内田先生は私たちの常識に冒頭の言葉で挑みます。

「つねづね申し上げているように、年齢や地位にかかわらず、「システム」に対して「被害者・受苦者」のポジションを無意識に先取するものを「子ども」と呼ぶ。」

先生は、日本人全員に「大人になれ」という無理難題をふっかけるのではなく、五人に一人、せめて七人に一人が「大人」であれば「システム」の運営には十分であるとおっしゃいます。先生の見立てでは、今の日本の「大人比率」は二十人に一人。どうやら今の日本は「子ども」の数を増やさないようにすることが先決のようです。

邪悪なものに「ディセンシー」と「身体感度の高さ」と「オープンマインド」で立ち向かえる「大人」を増やすにはどうすればよいのか。自分の子ども、自分の教え子、自分の部下から一人の「大人」を育てる。この本を読みながら、そんなことを空想してみるのも一興です。
「思考にキックを入れる」散文 ★★★★☆
小論文的論理展開が全くない散文のため、受け取り方が発散する著書。
「読んでいるうちに、急に…がしたくなった」というふうに話が横滑りをし始める。

「鎮め方」というタイトルから宗教的な自己内部の「邪悪なもの」のと勝手に思って読み始めたが、
「どうふるまっていいのかわからないときに適切にふるまうためにはどうすればいいか」
世の中全て、自己の外側は「邪悪なもの」と捉えている印象。
システム・父・偏差値・被害者意識・記号化・格差社会論・常識・原則・資本主義・婚活・家族など。

著者なりの鎮め方(適切な振舞い方)が断定的な表現にて述べられていますが、
読者の思考が始動し始める。
多分、読むたびに思い浮かぶキーワードが異なる。
「自分が知り始めていて、まだ知り終わっていないこと」
触発されたい時にページをどこかパラパラと開くのが適していると思います。
小児科医杉原のオススメ ★★★★★
これまで喰わず嫌いですみません.この本から内田さん面白い、と感じ始めました.
タイトルと内容は抽象的にはつながっていますが、まえがきにあるように直接的な内容とはつながっていません.
コラム集、エッセイ集風ですが、1つ1つのまとまりが面白いです.ブログからの集約のようです.
内田さんのエッセイ?には何か村上春樹に近いものを感じます.まとまった作品はそれなりに思考のうねりがあるのですが、思考に溺れているようにみえて私にとってはつまらない.
むしろ、こうした感覚的要素の広い土台にねじ止めするように思考がちょんちょんと抑え味になっているほうが安定して面白く読めるのです.そのへんが村上春樹さんの「村上朝日堂」シリーズに似た感触を覚えます.
邪悪なものへの対処法 ★★★★★
 筆者はこの本での「邪悪なもの」をかなり広い意味で使っています。
 例えば、村上春樹のエルサレム賞受賞講演「壁と卵(http://anond.hatelabo.jp/20090218005155)」(この講演は感動ものです。村上がめずらしく実父について語っていることでも珍しく、話題になりました)の壁=システムや、近代科学で理解できないもので現実に「ある」もの、ありとあらゆる「父」的なもの、そしてアメリカ。
 「鎮め方」の方も色々書いてあります。(ちょっと難しいですが、要約すれば)自分の理解できないものといかに付き合うか、不条理をいかに生き抜くかのノウハウといったところでしょうか。
 いつものように、切り口は個性的で、鋭いです。

 # この人、絶対もっと色々知ってるんだろうな。
   でも、言っちゃったら社会的に葬られるようなこと(かも)知れないから言わないのかな?
   「死後開封」とでもして書いといてくれればいいのに。
   (私が筆者より先に死んじゃったら意味ないですけど)

 # 世の中の大きな物語を作っている人たち(政治家・経営者など)が「わからないこと」を
   一番受け入れながら意思決定しなければならない人たちなんでしょうね。
   ただ、真摯に実行しているリーダーがどれほどいるかは定かではありませんが。

 
雑学とも、教養のためとも読みにくい迷作。 ★★☆☆☆
本著は、神戸女学院大学の教授によるブログ記事を、編集者が「呪い」に関するトピックをピックアップしてまとめたもの。

キャッチコピーを見ると、著者が「邪悪なもの」に対したとき生き延びるための答えとして見出したのが「ディセンシー(礼儀正しさ)」「身体感度の高さ」「オープンマインド」なのだという。
わたしはこのうちの「身体感度の高さ」というものに惹かれて購入した。
個人的に、身体感覚を扱う心理療法には馴染みがあったし、「邪悪なもの」というのが最近研究しているシャーマニズムの在り方に通じる何かが得られるのではないか。そんな期待があったためだ。

ところが、最初の一割ほど読み進めたところで、何か違和感を覚えた。
更に半分ほど進み、最終的にはすべて読了したものの、読後の感覚としては「超微妙」が本音である。

村上春樹を題材にして神話の構造を解説されているエピソードもあるのだが、そこから広げて神秘主義や霊的伝統の実用的な教訓が語られているわけでもなく、結局のところ煽り文句に期待したほどのものが得られず残念な結果に終わってしまった。

中途半端な内容というのではない。著者は様々な分野において博識だし、時事問題への提言も鋭いものがある。
ただ、「ここから何を得ればいいのか」こんなにも悩まされる本は、個人的にあまり経験がない。

言葉は悪いが、こんなにものの役に立たないと思った本は久し振りである。
もしかして著者は、この手のものに関する秘密を隠して、一般大衆向けに書いているのか? と邪推して再読してみたが、そんな根性の悪い感じもしない。
学者の詭弁的な表現で終始しているので、実学として役に立つとは思えない内容だ。

他の方のレビューが総じて高評価だったので期待していたのだが・・・基本的にレビューするのは「他人に薦めたいもの」がポリシーだが、これはこれで一応、感想として記しておく。