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本が死ぬところ暴力が生まれる―電子メディア時代における人間性の崩壊

価格: ¥3,078
カテゴリ: 単行本
ブランド: 新曜社
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画面の向こうに忘れた物 ★★★★★
 画面の文化が発達する中で、人間が次第に忘れている物を次々と指摘している。なぜ今本なのか?なぜ、本を読む事が要求されるのか?その答えとは言わずとも、ヒントがこの本の中に書かれている。映像の発展と共に、人間の想像力は次第に失われてゆく。強いては感情をも、失われかねない。考える力を失った人間は、一体、この先どうなるだろうか?

 映像メディアに疑問を持っている方、ジャーナリズムを勉強している方には、特にお勧めする。本の文字は小さいが、新しい発見の連続に読者を離さないだろう。
思考力、秘密、情報伝達速度などの教育力 ★★★★★
 本書はまず、口承文化の情報伝達について論考を始めている。口承文化では言葉がその場しか効果を生まず、覚えたり分析する事が出来なかったが、文字が生まれてから読むという活動が内省する自己を生み出したと筆者は説明する。またここで特筆すべき点は、大人が子ども(口承文化では子どもという概念が無かったともされるが)に対して与える情報を制限できた事である。従って通過儀礼が大きな意味を持っていた。
 
 しかしメディアが蔓延る現代においては、情報を受動的に受け取りすぎ(TVなどでは見聞きしているだけで情報が得られる)、自ら能動的に働きかける事を忘れ、広義での暴力的な行動に走ってしまう―本が死ぬところ暴力が生まれるというわけである。

 筆者の分析の目はとても鋭い。トウェインの『ハックルベリーフィンの冒険』やギャング団、家族との結びつきなどの点から考察が行われており、十分な説得力と、興味深い観点をもって編まれている。またメディアの悪い側面だけでなく、良い側面にも目を向けているあたりさすがである。

 オルテガ『大衆の反逆』でも同様な事が述べられている項があり、参考になる。大衆は自由という言葉に酔い、メディアなどの規制の無い世界から知らぬ間に抜け出せなくなっている。いくらメディアの欠点を述べてみた所で、もはや生活と切り離す事は不可能であろう。従って今後の課題はどのように共存してゆくか、という事であろうと思うが、そのためにはもはや社会の体制の手の及ばぬ所であるように思われる。

 現代に生活する人ならば、少なくともどこか一箇所くらいは共感する箇所があると思うので、ぜひ情報教育などに興味がある方は、一読をお勧めします。優れた著作だと思います。

口承文化の重要性 ★★★★☆
現代はメディアにあふれ、情報の氾濫する時代である。

その中で人間にとって何か大事なものがごっそり抜け落ちている
ことに気づき、それに衝撃を受ける。

本書はそういう本である。

 物語や口承文化を失うことや活字離れが人類にとってなぜ危険なのか、
本書は淡々とした語り口で語る。ある意味怖い本である。

 しかし口承文学における定型句の重要性や

ヘブライ語の文書において母音が記されなかったことの意味など
今まで知らなかったことが多くあり、興味深かった。