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京大・矢野事件―キャンパス・セクハラ裁判の問うたもの

価格: ¥585
カテゴリ: 単行本
ブランド: インパクト出版会
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完全勝利・・・闘いの全記録! ★★★★★
裁判における壮大な闘いの発端は、小野和子さんの書いた新聞コラム記事から始まった。
小野さんの書いた京大の矢野教授の起こしたセクハラ問題を告発したコラムに対して、
当の矢野教授が、小野さんを名誉毀損で訴えたのである。
(その後、矢野は他にも事件関係者に対して裁判を提起している)

その名誉毀損裁判で、矢野教授のセクシュアル・ハラスメントが如実になり、
その裁判で多くの闘う女性たちの援護射撃が始まる中、小野さん側の証人として、
「レイプに始まるすさまじいまでのセクハラ」の被害者である女性が、矢野教授のセクハラを裁判で証言することになる――

本書は、京大・矢野事件の裁判の全記録である。


 第一部 矢野事件の問うたもの
        →矢野事件の経緯が詳細に書かれている。
 第二部 裁判資料編
        →原告訴状、被告答弁書、冒頭陳述書、準備書面、書証目録、
         セクシュアル・ハラスメント研究者やフェミニストカウンセラーの意見書、判決文
 第三部 裁判を終えて
        →事件を支えた人たちや、弁護団それぞれの想いが書き綴られている。


大学という学問を学ぶ場でありながら、女性にとっては学ぶには厳しい環境ということが、
本書を読みながら痛感とともに、共感させられた。

矢野事件は確かに、矢野教授という特殊な人間によって起こされたが、
セクシュアル・ハラスメントの本質は決して特殊なものではない。
裁判で勝利したといえ、現実社会では性差別の問題や、それを要因とした問題が山積している。
闘いはまだ始まったばかりである。

とにもかくにも、勝訴の記録という掛け替えの無い財産。
これからセクシュアル・ハラスメント裁判を起こそうと考えている人に、強い勇気を与える本である。
大学のもつ固有の人間関係とその社会的構造 ★★★★★
大学というアカデミックな場で起こったセクシュアル・ハラスメントの全容が描かれている。また、被害者である女性が加害者である矢野元教授に告発されるという異例な展開も。大学というアカデミックな場ならではの告発の難しさ、被害者となってもなかなか告発に踏みきれない社会的構造、研究者集団のもつ「ムラ」的要素等が明らかになる。また「強姦神話」の崩壊や、いかに女性が生きにくい男性社会であるか等、被害者が裁判を起こすのを躊躇するその「理由」が十分すぎるほどに説明されている。この一冊で、セクシュアル・ハラスメントの認識が深まることは間違いない。