本書は全7章からなる。第1章「泡とは何だろう」からスタートし、第2章「泡を調べる」へと続く。第3章では「食べられる泡」としてビールやパンなどを紹介。第4章では「実用的な泡」として「エーロゲル」と呼ばれる、98%以上が空気、わずか28グラムでフットボール場数個分の面積を持つスーパー素材が紹介される。この素材はNASAで愛用されているらしい。後半の第5章では「生きている泡」として細胞やカエルの卵、治療用の泡を紹介。第6章では「地球上の泡」として、マグマや岩、波音を、そして最終章では「宇宙の泡」として、ビックバンを紹介する。
本書で紹介されている話はすべて実話だが、泡をこよなく愛す著者が書いているためか、どこかファンタジーを思わせる雰囲気が漂う。日常何となく眺めている泡に対する理解を深め、泡の魅力を教えてくれる不思議な1冊である。(松田俊彦)