プレーリー・ウィンド(DVD付)
価格: ¥3,480
どんな季節も似合うアーティスト、ニール・ヤングがまた秋の「ハーヴェスト(収穫)」モードに帰ってきた。『Prairie Wind』の素朴な題材と美しいメロディラインは、いくつかの特に好評だった過去のリリース作品の精神をよみがえらせている。しかし、このアルバムのムードは、これと3部作をなすと思われる前作の『ハーヴェスト』『ハーヴェスト・ムーン』よりも成熟の色が濃い。また、ソウルフルなホーンセクション、メンフィス・ホーンズのウェイン・ジャクソン、フィスク大学ジュビリー・シンガーズのゴスペル、そして弦楽器セクションが加わって目をみはる効果を上げ、アレンジの幅も広がり、サウンドの深みも増している。これは、夢、思い出、家族の絆、時の流れ……失われたものと持ち続けているものを歌った連作曲集だ。 断片的な言葉で歌われた、9・11を想起させる叙事詩「No Wonder」がヤングのキャリアの中では最も野心的な曲に位置づけられるのに対し、「Falling Off the Face of the Earth」と「It's a Dream」、ブルージーなタイトル曲が子どものような純真さと心を不安にさせる体験とを結びつけている。スプーナー・オールドハムのチャーチオルガンと共同プロデューサー、ベン・キースのスティール・ギターが質実剛健なサウンドを補強。ヤングはさまざまな音楽スタイルでアルバムをリリースしてきたが、『Prairie Wind』は故郷に帰ったような気にさせてくれる最高のアルバムだ。(Don McLeese, Amazon.com)