イエロージャケッツ会心の一作『Times Squared』。タイトル曲はバンドの歴史を盛り込んだ実におもしろい1曲だ。70年代終わりのフュージョン風セッションという雰囲気で、このバンドがその当時から活躍していたことを再確認できるとともに、80年代のスムース・フュージョンと進歩的な21世紀の最新ジャズを橋渡ししているかのようにも思える。2年間の休息がこの4人組、特に作曲家兼キーボードのラッセル・フェランテを生き返らせたようだ。このベテランたちにすれば、センスあふれる作曲やど派手なソロは当たり前だが、演奏者とリスナーがどれだけ楽しめるかというレベルで言えば、過去数枚の作品よりも数段上だ。「Monk's Habit」のシャープで歯切れの良いドラミングや、「Go-Go」のゴーゴー風リズムを聴くと、新メンバーのマーカス・ベイがバンドにフレッシュさを吹き込んでいる。全11曲みな素晴らしく、20年以上のキャリアで数多くのアルバムを発表してきた今でも、この『Time Squared』はイエロージャッケツの名作に数えられるだろう。(Mark Ruffin, Amazon.com)