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Girl in Hyacinth Blue

価格: ¥1,457
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Penguin (Non-Classics)
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   17世紀デルフトの画家、フェルメールの1枚の絵をめぐるフィクション。読者は絵の由来や人手に渡っていく経緯、絵に秘められた歴史を現在から過去へさかのぼる旅に誘われる。その絵は年齢も職業も生活環境も異なるさまざまな人たちに愛されてきたのだった。戦時中の混乱期に絵を入手したドイツ人の父子や、ナチの魔の手が迫りつつある時代に生きるユダヤ人の女の子、絵の中の少女に初恋の相手を重ねている中年の男性、仕事一筋の夫との平凡な生活の中で絵だけを心のよりどころにしている主婦…。美しいオランダの風景描写に織り込まれたそれぞれの思いが、まさにフェルメール絵画の美を思わせる短編集だ。

   物語は大学で美術を教えている「私」が同僚の数学教師の自宅に招かれるところから始まる。「私」はそこで秘蔵の絵を見せられる。赤錆色のスカートに青いスモックを着た少女。真珠の瞳。開かれた窓。窓から注ぎこむ柔らかい光。本物のフェルメールだ、と彼はささやく…。資産家でもないごく普通の家庭になぜフェルメールの真作があるのか。そんな疑問を抱く「私」に彼は長い間封印し続けてきたある事実を語り始める。

   著者のスーザン・ブリーランドはアメリカの高校で教鞭をとるかたわら、雑誌に短編小説を発表している。フェルメールを題材にした最近の小説やエッセイには、トレイシー・シュヴァリエの『Girl With a Pearl Earring』(邦題『真珠の耳飾りの少女』)、シリ・ハストヴェットの『Yonder: Essays』などがある。(小川朋子)