ストリングによる伴奏が素晴らしい「Feelings」や、コール・ポーターの「Love For Sale」の大胆なアカペラ・バージョンでは、ヴェローゾはストレートにメロディーをなぞっている。しかし、お楽しみはその後だ。ボブ・ディランの「It's Alright, Ma (I'm Only Bleeding)」をレゲエ風に仕立て直し、「Smoke Gets in Your Eyes」にジャズっぽいサックス・ラインを交え、カート・コバーンの「Come as You Are」をトゥワンギーなスタイルで披露してみせる。スティーヴィー・ワンダーの「If It's Magic」からエルヴィス・プレスリーの「Love Me Tender」、アート・リンゼイのイキな「Detached」に至るまで、ヴェローゾはサウンド破壊の大御所たるゆえんを見せつけている。(Eugene Holley, Jr., Amazon.com)