She's So Unusual
価格: ¥492
シンディ・ローパーの『She's So Unusual』を聴いて、彼女のキャラクター的な存在感しか思い出せなければ、それを振り払って音楽だけに集中してみてほしい。実は彼女は、素晴らしく情緒的な声を持っているのだ。彼女のボーカルはいたずらっぽく聴こえるが、しっかりとした強さ、アーティキュレーション、ニュアンスがある。『Time After Time』(後にEverything but the GirlとMiles Davisがカバーしたのも彼女が素晴らしい証拠である)は心の琴線を震わせ、『Girls Just Want to Have Fun』は軽快。『All Through the Night』は切なく、『She-Bop』は強さを感じる。これらに異論のある人はいないだろう。楽曲としてのアレンジもとても革新的でおもしろく、間違いなく1980年代の音楽だが、そのサウンドは時代遅れではなく陽気だ。このデビューアルバムは、彼女が自身を卑下したりパロディーにしたものでもなく、自分を讃えたものだ。もう一度聴いてみれば、後ろめたい思いもなく、楽しむことができるだろう。Beth Bessmer