子どもの心理療法
★★★★★
精神分析的な立場からプレイセラピーを捉えなおした専門書。プレイセラピーは遊ぶだけと捉えられがちであるが、それをしっかりとした構造と理論的背景をもとにしてアセスメントと治療を行う方法を紹介し、それをもとにした事例をのせてある。解釈や再構成、徹底操作の仕方など、事例を元にしてどのように児童に適用していくのかを詳しく見れるところはすばらしいと思う。だが、各所の教育的な関わりや遊びを制限したり、セラピストから設定したり、「子どもは一般的にそう思うものだよ」という解釈はどのように評価したら良いのか分からない。また、今までは付随的に行われていた親面接での重要性を再指摘しその方法論を明らかにしているところは参考になるところが多いであろう。