ブルデュー自身による、超本格的な理解補強の書
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フランスを中心として現代思想の主流となった構造主義をベースに、現象学(主体=行為者の哲学)の理論を取り込むことで、まさしく最先端の哲学・理論社会学を展開した、ピエール・ブルデュー。彼の理論=哲学は、その幅広く受け入れられた学際的な影響力からも、まさに人文・社会科学の精華と言えよう!!そんな彼の『ディスタンクシオン―社会的判断力批判』や『実践感覚』等といった代表作を理解する上でまさに欠かせないのが、この本である!
しかしこの本は同じくブルデュー自身による解説書的なものでも、『超領域の人間学』の様な殆ど入門書と言うか、やさしく・分かりやす過ぎるものとは大きく異なる。こちらは代表作とされるものと、何ら変わることのないレベルの本なのである。いやむしろ代表作を読んだ後に(なるべく時間を空けずに)補強として読むと、ますますブルデュー理論=哲学への理解力がアップするだろう。ブルデューをしっかりと理解する上で、マストな一冊である!!