「誰でも15分間は有名人になれる」というアンディ・ウォーホルの言葉は有名だが、まさか、本当に実践する者たちが現われるとは！ジョニー・ノックスビルと、彼の悪ふざけ仲間は、まさにその代表例。この作品は、アメリカの音楽番組MTVで放送された“悪名高い”シリーズのエピソードを集めたもの。おバカでハチャメチャな行動をしでかす番組だ。番組の大半では、ジョニー・ノックスビルと仲間が互いに相手を“痛い”目に遭わせ（特に脚の付け根は打ちのめされている…）、ほかの部分は、「どっきりカメラ」のような作りになっている。一つのエピソードでは、クリス・ポンティアスがオオカミ男に扮してロンドン中を走り回り、別のエピソードでは、2人のホッケー選手が店の中でも争い続ける。ある意味、ネタは一回限りの使い捨て。つまり、鼻の頭の黒ニキビや口臭のようなもの！？ いくら取り除いてもまだまだ続く。収録に立ち会った人物の「これをやるにはおバカにならないと」という言葉は的確な表現だ。でも、やるのと見るのは別の話。ちなみに、このシリーズに第1弾（volume 1）はない。こんなところも予想通りだ。

   第3弾（volume 3）は、みんなが見たい、よりすぐりのエピソードが満載。もっと過激に、“大人向け”になっている。いたずらがエスカレートし、ウンチのネタが増加。スケートボード、氷のダウンヒル、後ろ向きのロデオなど、とんでもないお遊びの数々は、ジョニー・ロックスビルと仲間たちを、若い世代のヒーローに押し上げた。そして、彼らの恐れなき行動は、一種の芸術になったとも言える。比較的一般的受けしそうなところでは、頭を剃り上げたリック・コシックが公衆の面前でカツラを落とすというエピソードや、ノックスビルが90歳の老人に扮するエピソードがある。もっと容赦ないタイプのエピソードには、乱闘に発展したカーペット・クリーナーの回も。しかし、『ジャッカス』と言えば、やはり真正面からの急所攻撃だろう。これを見れば大騒ぎ間違いなし。78分にわたる今作品には衝撃がいっぱいだ。（Donald Liebenson, Amazon.com）