この巻で終わりでもいい気がする。
★★★★★
とりあえずこれで皇国が負ける要素はなくなり、物語上の主要人物も大体決着がついたので終わりでもいいと思う。
遅筆も考えもの
★★☆☆☆
他の方々が高評価なのが意外です。
このシリーズ、主人公の繰り出す見事な戦術や戦場の描写が見所じゃないの?
1〜4巻程度まではそれが楽しめた。文章がくどい部分が眠気を誘う場面もあったけど。
でも、それ以降はかなり今一つ。
そもそも、筆者が「大協約世界」という回りくどいファンタジー世界を構築した理由の一つは、
兵器の一方的な優劣により戦術の介在する余地を減らしてしまうのを防ぎ、本作品の見所を強調
するためだと考えてました。
それがどうだ。
最後の皇宮攻防戦なんざ、新兵器で殆ど決着がついたようなものじゃないか。
こんなん反則です。
かなりがっかりでした。城郭攻防戦や虎城攻防戦も、そんなに大した戦術が行われたとは思えないんだけど、皇宮攻防戦は酷い。
人間関係の意外なエピソードや、男女描写やらで誤魔化している。
しかも、戦闘の描写も似たような表現が目立ってきている。校正を何度も繰り返しているとは思えない。
遅筆のあまり、初心を忘れてしまい、筆者のモチベーションも既に枯渇しているのでは。
話も主人公も魅力的。それなのに……
★★★★☆
卑劣で低劣で下劣。おぞましさすら覚えるほどの醜い内面。禍々しい性根。
主人公,新城直衛を描写した言葉である。
しかし,私には,どこをどうとっても,そんな描写が似合うとは思えなかった。
部下を一人でも多く逃がすために,単騎で敵騎兵隊に突っ込んでいこうとしたり,兵の疲れを軽減するために,背嚢を降ろさせたり馬車に兵を乗せたり,しかも自分自身にだけは背筋を伸ばして先頭を立ち続けるという厳しいものを律する。
少年兵には哀れみに似た感情を持ちながらも,それに流される指揮官の愚かさを知るが故に,自身のその感情を偽善だと感じて苦々しく思う。
『人間らしいすべての感情は捨てろ。その贅沢に浸るのは,戦いが終わってからだ』
だから,必要とあらば顔色を一つも変えることなく事を決する。
幼少の頃を引き合いに出して,歪んだ性格と位置づけてはいるが,私にはむしろ,卑怯な軍人が多い軍部の中にあって,頑固に筋というものを守ろうとしている好ましい人物に見えた。
だから,あらゆる登場人物たちからの『軍才はあるが,人間性は著しく低い』『卑劣で低劣で下劣で醜い』という声には,かなり無理があるように思えてならない。
私は,この話が大変好きだし,新城という人物が大好きである。
実際,2巻〜4巻くらいまでは,兵には好かれている指揮官という感じだった。
それがなぜか,巻数が進むごとに,完全に嫌われキャラへと変えられていく。
「好んで仕えたい上官ではない」「嫌いだ」「部下を人間扱いしてない」
いやいや,そんなわけはないだろうと。
この先は,是非とも正当な評価を主人公にあてて欲しいものだと切に願っている。
後を引く。だけど・・
★★★★★
佐藤先生のシュミレーション小説は設定のリアルさが好きだったので、本シリーズは正直「喰わず嫌い」だった。
ファンタジー世界なんですよ。設定が!ハリーポッター的世界。
30代のオッサンが入るにはツライでしょ。
ところが読んでみると、「龍」「剣虎」もリアルなことこの上ない。
完全な「ウォーシュミレーション小説」だった。
続きが読みたくて仕方が無い。
だけど この先生の最大の難点は「遅筆」なんですよね。
俺が集めていて終わっていないシリーズが、こいつで4シリーズ目。
ブランクが3年とか平気で空く。
それを耐えられる人にはタマラナイと思います。
まずは1巻から買って、ゆっくりとこちら側に来てもらえれば。
優秀な指揮官・情報分析官の行動とは如何にあるべきか!
★★★★★
私は、この作者の作品を読み続けて6年くらいになります。一見専門的に武器等のスペック(性能)を本の中で説明していますが、本来作者が伝えたいことは、「人間性」と「現場指揮官としての統率」は違うこと。「情報収集と分析の大切さ」とその情報を用いることは、知性であること、戦争を嫌うからといって戦争を考えない=武力に関することを遠ざける愚かしさを述べています。
中間層の方や、情報の大事さをご存知の方に、是非読んでいただきたいと思います。
特に、悩んだとき、「原則が何か」という心構えを再確認する手助けになるのではないでしょうか!