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プロフェッショナル 仕事の流儀〈7〉

価格: ¥1,050
カテゴリ: 単行本
ブランド: 日本放送出版協会
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人間の味わい深さを感じさせる一冊 ★★★★★
 仕事の仕方で、痛いところを突かれたと思ったのは、「居心地のいいところであればいい仕事ができるというわけではない。むしろプレッシャーがかかる状況の中でいい仕事ができる。衝突が刺激になり、新しいアイデアが生まれる」という点を奥山清行氏が指摘していることか。
 みんなでなかよくやりたいけど、その場合、結果がなかなか伴ってこないのが、悲しいが現実か。「言い争い」とは、アンドリュー・グローブの言うところの「建設的対決」か?

 なお、デザインとは、「目の前のクライアント(顧客)から開発費用という名のお金を借りて、未来のクライアント、つまり、その商品を買ってくれる人のために仕事をしている」とし、デザイナーにとってのステークホルダーをきちっと明確化できている点に感心した。

 羽生氏の言葉でいちばん感銘を受けたのは、番組でもそうだったが、「直感とは、(単なる思いつきでなく)今まで自分が積み重ねてきたものの中から、迷いなく浮かび上がってくるもの」という感覚である。
 彼も、「人間って基本的に怠け者」で、「外からのプレッシャーが能力を引き出すのに大事な役割を果たす」と述べているのも興味深い。

 徳岡氏もこの点については、「人間の能力って、100%あるのに、80%しか使わない。いつも101%とか102%とか、そういうギリギリの淵に立つんです。もういつ落ちるかわからないっていうときに、プッと能力がふくらむ気がします」と言っている。

 要は、彼らは、同じことを考えているように思った。人生怠けてはいけないようである。
「プロフェッショナル」シリーズ中、最高の内容! ★★★★★
 本書は、NHKの「プロフェッショナル:仕事の流儀」から3人の出演者をピックアップし、出演者の仕事からプロフェッショナルとは何かについてケース・スタディを提示している。
 今回取り上げる7巻では、カーデザイナー(奥山清行)、棋士(羽生善治)、料理人(徳岡邦夫)の3分野から、第一線で活躍している人物にスポットを当てている。
(中略)
 これまで、私は「プロフェッショナル:仕事の流儀」シリーズを読破してきた。まだ取り上げていない巻もあるが、1巻だけおススメの巻を紹介してほしいと頼まれたら、迷わず7巻を薦める。
 というのも、全ての出演者が番組で登場した際も感銘を受け、HPや本書を通じて挫折からの復活に至るまでの経緯に、生きる意欲とプロとして生きるという自覚に目覚めたものである。

 まず、奥山清行氏はアメリカでの人種差別と管理職としての理想と現実に直面し、カーデザイナーの際激戦区であるイタリアで自らの型を見出した。
 次に、羽生善治氏は7冠から1冠までタイトルを失い、30代になると冴え渡っていた勘や記憶力が衰えていることを自覚していた。苦闘するところに、ベテラン棋士の姿を見て大局観の大切さを痛感し、復活への狼煙を上げることができた。
 最後に、徳岡邦夫氏はバブル崩壊と共に客足が遠くなる吉兆の総料理長に就任し、3代目としてのプレッシャーと格闘していた。そこで、タクシー運転手の言葉に発奮し、お客様の意見を聞きだすことで解決の糸口を見つけようとした。
 そして、時代にあった献立作りを創作し、既成概念を破壊する日本料理のアバンギャルド(=前衛芸術)としての地位を確立した。さらに、既成概念を破壊するのと同時に、出汁のように守るべき伝統はしっかりと守り抜くという京都人ならではの気骨さにもしびれてしまった。
(中略)
○プロフェッショナルとは
・「今日のためじゃなくて、本当に明日のために仕事ができる人。自分のためじゃなくて、人のために仕事ができる人。だから、『明日の人』のために仕事ができる人だと思うんです」(奥山清行)
・「揺るぎない人。変わらないというか、核があるというか、信念があるというか、誇りがあるというか。つまり本当に大事にしているものを守りつづけている、信じつづけているということ」(羽生善治)
・「プロフェッショナルだから、結果を出さないとダメですね。まず、結果を出すために、結果を出すまで諦めない人」(徳岡邦夫)
シリーズ屈指の猛烈な3人 ★★★★★
 猛烈な人たちである。オンエアでもその凄さに引き込まれたが、本書では彼らの言葉がより詳しく書かれている。

 良い雰囲気で働けるチームを作って、結果を出せずにレイオフせざるを得なくなった経験を持つ奥山。彼の「衝突が本物を生む」という言葉には重みがある。

 研究を怠ればすぐにおいていかれるほど進歩が激しいという将棋界。何かを発見する楽しさ、変化を恐れずに進歩していくことの大切さを説く羽生。

 劇務で健康に不安のありそうな徳岡にしても、それぞれ何かを犠牲にして自分の世界を極めようとしている。その辺りは私には縁遠いが、凡人でも共感したり参考にできそうな話も多い。満足のいく1冊。