大学と大衆を繋ぐ一冊
★★★★☆
物事を判断する場合、それが経験にしろ知識にしろ、引き出しの中身は多い方が
絶対的に有利です。
だから(本書でも書かれているとおり)本当は高校1年生の段階で進路を決める
よりは、多くの事を吸収してから世に出た方が良いという考えにも一理あります。
それを踏まえて、未来の芽(と向上心のある大人)に対して日本に於ける最高の
知が集う(全部じゃないにしろ、総合力ではまだまだ一番だと思う)東京大学の
有志が行っている公開講座を書籍向けに再構成した本です。
大学(それも日本で最高レベルにある)が何を研究しているのか?そしてそれが
どんな風に一般社会と関わりがあるのか?そんな点を出来る限り分かりやすく述べ
ています(それでも大学入試時に数学や物理を放棄したような人には付いていけな
いと思われる内容有り)。
こんな講義を受けてる東大生が羨ましく且つ(こういう講義に耳を傾け、好奇心
を持てるから)故に優れた人間が排出される確率も高いのだと改めて認識した次第。
『ドラゴン桜』は東大に入ることそのものがメリットと説きました。
そしてこの本は入った先に何があるかを説いています。
知の最先端と一般社会を繋げる架け橋となるこの本は一読の価値有りです。