「感動」じゃないだろう
★★★☆☆
この作者の本は「てなもんや留学記」から2冊目。この本は何に分類されるのだろう。観光ガイドではないし、社会派ルポルタージュでもない。万里の長城や北京ダックや上海万博は登場せず、著者が訪ねているのはディープな観光地。本の帯には「軽妙な文章と美しい写真でレポート」とあるが、表紙を除けばすべて写真は白黒で、上質紙の写真ページは一つもない。文章は、悪文が散見された「留学記」より上達している。「感動」は違うな。しいて言うなら「虚実中国!」かな。
「てなもんや観光記」として、お定まりコースをはずれた中国観光リピーターのためのガイドとしては面白いし役に立つかもしれない。一国を一冊の本で表すことは不可能で、一冊を貫く切り口が必要なはず。ましてそれが人口13億の国ならなおのこと。そして、レポートすることで現れるのは著者の姿ということになる。著者は中国と中国人が好きなのか嫌いなのか、いやどこが好きでどこが嫌いなのか。
友の病が思わしくない知らせを受け、涙を流しているのにインチキ坊主がたかりに来るくだりは泣ける。しかし、「感動」じゃないだろう。
何だかなー
★★★★☆
谷崎ファンにとっては一緒にディープな中国を旅行しているようで楽しい本だと思います
。よくまあ女性一人で危険なところに出かけるものだと感心します。現地での駆け引きも
中国らしさが感じられてあたかも自分が出かけたような気にさせてくれます。そういう意
味で著者の筆力もたいしたものです。
ということで一般の人には星四つのお勧め、谷崎ファンには星5つと言ったところでしょう
が、如何せん校正が杜撰すぎて随分気になりました。ザット見たところで7カ所間違いを
見つけました。大手出版社の文藝春秋の刊行物として信じられない思いです。文藝春秋社
からみて谷崎さんはその程度の著者なのでしょうか。
面白い!
★★★★★
中国を根元から見たようで、非常に爽快な気分になった。山西省の今成金の炭坑主と、同国人にさえ売られた猪仔の話が圧倒的に面白く、引きこまれて一気に読んだ。この国と長く付き合ってきても知らない話が沢山ある。中の写真がカラーだったらと、多少残念。が、面白さ、読み応えは充分である。
1700円は高いですね
★★★☆☆
期待したほど面白くなかったです。文章も読みづらいですし。ただ、中国文化についてはちょっと勉強になりました。