現在生きる一人間の生活に焦点をあわせた貴重な取材
★★★★★
エジプトの東方砂漠で暮すサイーダさんの生活を取材。
いわゆる現代の先進国では、ほぼ失われている「ゆとり」をもって活きることなどが紹介されている。
ラクダで遊牧し、ラクダの糞で火を炊いて食事を準備する。
星空や、サイーダさんの笑顔に垣間見る人間味豊かでもって、深い味わいある表情も印象的です。
この本の特徴は、
子供向けのためもあって、平易でコンパクトな文章であること。
また、エジプトといえば、
数千年も前に栄えた古代遺跡や文明、政治面での中東事情や、イスラームの側面からの話題が多いなか、
現在生きる一人間の生活に焦点をあわせて、それを日本で広く紹介する内容になっていることも、貴重な出版である理由の一つと思います。
遊牧生活は、エジプトでもかなりマイノリティーの生活スタイルではありますが、
世界的にも数少ない取材と思います。
また次回、独自の視点での出版が待たれます!