巷では高齢化社会というと悲観的な見通しばかり語られるが、著者らは統計資料に基づいて、労働力については高齢者と女性を活用すれば十分確保できるし、医療保険財政については多くの人は死ぬ少しまでまで自活できる状態で過ごし、入院するような状態になったら十ヶ月程度で死に至るといったところが実態なので保険財政が破綻するような心配はないことを示している.ただし年金制度については、もともとスタート時から掛け金が安すぎるという制度的欠陥を抱えていたのでいずれ修正を迫られると書いていた.その時はハードランディングにならざるを得ないそうだが、ハイパーインフレでも起きるのだろうか?
以前から望まれていたもののいつになったら実現するのか分からなかった、エイジフリー、ジェンダーフリーの雇用システムへの転換は2005年から2010年にかけて起こると予測している.この頃には団塊の世代が高齢化し25~34歳の人口が急激に減るからだ.
世界人口についても著者らの人口予測モデルを使うと2003年に73億5千万人でピークに達した後減少に転じると計算している.エネルギー資源問題や領土紛争が昔話になるのも意外と早そうだ.