Street Dreams
価格: ¥744
タイトルから想像するにファボラスは「ストリートの夢」を届けてくれるのかと思いきや、ブルックリン生まれのラッパーの2作目は、ストリートよりパーティー・アルバムという雰囲気。彼独特のスムースで無表情なラップを、良い意味での売れ線ビート(クルー、ジャスト・ブレイズ、カンエ・ウエストがゲスト参加)に乗せた1枚。全体的印象は「誰もが認める」ストリート・ヒップ・ホップ(たとえば『50 Cent Is the future』やM.O.P.の作品など)にも引けを取らない出来栄えだ。もちろんファボラス自身の魅力も大きい。些細な題材をストレートにぶつける彼のラップは、セクシーで俗っぽいクラブ・チューンの最大の魅力。トラック・マスターズのプロデュース作「Damn」、R&B風バラード「Can't Let You Go」「Trade It All Part 2」などが聴きもの。今作はゲストも強力。ミッシー・エリオット(エレクトロ・ファンク「Sickalicious」)、メアリー・J・ブライジ(彼女のヒット「What's the 411」を使った「My Life」)、ポップスの歌姫アシャンティ(「Into You」)という顔ぶれ。ただアルバム全体はM.O.P.の手法をまねたものだ。M.O.P.の「Keepin' It Gangsta」のラップはストリートが何たるかを表現している。(Rebecca Levine, Amazon.com)