総選挙も評論もガチ
★★★★★
近頃はAKB48の「勝手に応援団」という趣の本誌だが、先日の総選挙の結果を受けた8月号は大変力の入った記事であふれており、ファン必読の内容といったよいだろう。特に46-47頁掲載の「前田敦子 王座陥落の理由と宿命」は実に秀逸な論考だ。
記事の後半、「前田本人は、自分が他のメンバーと争ったときに力が足りないということは気付いていた。そしてセンターに居ることで自分が輝き、センターでいることに存在価値があるということもわかっていたのだ。」という部分で本質は言い尽くされていると思う。彼女が人気を集めたのは、他でもないセンターに居たからだ。ある識者(?)のコメントとして「今回の結果を受けて、今までの前田のファンたちは、自分たちの不甲斐なさを恨み、更に強固なものとなるだろう。なによりも1位から降りたことで、“前田アンチ”が居なくなるのが強い」との見方が紹介されているが本当にそうか? 「エース前田」幻想が消えた後に、巻き返すための決め手とは何だろう。
今や私の関心は、AKB48の運営サイドが次の総選挙を待たずに前田敦子を再びセンターに据え直す決断をするかどうかだ。これは見物だな。
とにかく、他誌も含め総選挙の結果を巡る数々の記事のなかでベストに挙げられる一編。シンパもアンチも是非お読みいただきたい。